2021/10/15
11月2日 – 11月6日
「豊かな人間性」を趣旨にクラブカルチャー系譜の新たなチャプターを探るマルチメディアクルー〈ether〉が、展示・トークディスカッション・コラボパーティの3部構成イベント「Membrane 膜」を11月2日から11月6日の期間に開催する。
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多方面にわたるカルチャークリエイションをコンテンツとするパーティシリーズ・エーテルを、ついに、展示・トーク&ディスカッションイベント・コラボパーティに拡張した。コレクティブとして自己実現でもあり、とりあえずやってみようという門外漢な分野に敢えて踏み入れる三人の大胆な感覚が目につく。
’膜’のコンセプトは前回のLocal World x etherを経て、言語化のできない感情の塊ができたことによって構想された。感情や生活が加速している中自分を失わないようにフィルターを掛け持ち、世界とゆるくつながりながらも、過去に直面して今の自分がいること、これからはこう生きてみたいという確かな考えをキュレーションの軸に、なんとも言えない感情・葛藤を大事にながら、ゆっくり着々と気持ちに形を与えるアーティスト、ディスカッションゲスト、コラボパーティのラインナップを集めた。
鏡に自分をみるような感覚をイメージしたグループ展 (11/2-6 3PM-8PM) では、社会の中で自分の持つ特権に気づく、さらには同じようなコミュニティに存在しながらも、自分が他人と違う一面を持つことから来る違和感や、逆に無意識な従順さを持ってしまうことに対して、戸惑ったり突っ走ったりする過程を形にするアーティストを集めた。出展するアーティストには、グラフィックデザインとソーシャルエンゲイジングアートの間でパーソナルなストーリーから、集団記憶まで幅広く辛辣な表現やユーモアを効かせた、中国北京出身オランダベースのアーティストKexin Hao、アウトサイダーでありながらネイティブな環境に身を纏うような矛盾する感情と場所を写真に映すアメリカ出身日本を拠点にするアーティストCarlos Ossorio、時代の気分をデフォルメしたハッとするような痕跡を、一瞬だけSNSに残したかと思えば、Kazumichi Komatsuや堀池ゆめぁの楽曲では、詩情とユーモアがないまぜになった個人的な楽曲解釈をビデオとして発表してきた、砂原光 (絵画にて参加)、一切はびこることなく生きることを作品そのままにするひかる十七歳、2020年代初頭ならではの「スカムを携えた均整」とも言えそうなマテリアルを彫刻し、人間の痕跡を表現するwakapitch。作品メディアは油絵、彫刻から、写真、ビデオアート、日記までオルタナティブな物語りによって結ばれる。見る人にはもやもやのきっかけとなり、そして同じく模索しながら感情を形取ってもらいたい。
非常時にこそ今までになかった考えや、素直に意見を言い合える環境、お互いを認め合えて生きることの意味をもう一度考え直すべきではないだろうかという考えから、トーク・ディスカションイベントでは今の時代にあるべき「コレクティブとアーティスト性」、クラブイベントが再び入れ乱れる中の「クラブでOKな話とNGな話、その理由」、パーティドラッグに限らない「ツールとしてのハームリダクション」の三つのトークテーマが企画され、3日から5日まで毎夜6PM-8PMに開催される。
そして締めくくりのパーティは、同会場で11/6(土)10PM – オールナイトで行われる。ブラジル拠点のプロデューサー/DJのXIAO QUANとコラボし、ブラジルの現行シーンと東京をつなぎ合わせる一夜になるだろう。QUAN自身は、カウボーイとエイリアンを掛け合わせた独特なトライバルハウスをかける別名義JOÃO LÁGRIMA DE OURO(英訳:JOÃO TEAR OF GOLD)として出演し、またブラジルのTormenta Collectiveと新興レーベルEXPを主宰するプロデューサー/DJのepx、ダンスホールとレゲトンをラテンへと接合したオフシーズンカニバル・ストリートパーティTESÃOZINHO INICIALを主催するなどDJ/モデルのmiss tacacàがゲスト出演する。エーテルからはDJのokadada、パフォーマンスにnizikaとひかる十七歳を迎え入れる。
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‘Membrane’
VENUE : oa.higashiazabu
東京都港区東麻布2-35-12 https://o-a.tokyo/
グループ展 Group Exhibition 11/2-11/6 3PM-8PM
トーク+ディスカッション Talk + Discussion 11/3,4,5 6PM-8PM TBA
コラボパーティ Party Collaboration QUAN x ether 11/6 10PM-
ether : https://www.instagram.com/ether.tokio/
category:NEWS
tags:ether
2021/06/17
Baby Loci、sudden star、speedy lee genesisによるプレイリスト公開 コンテンポラリーなリズム&モードを探求する「Local World」、”ハイパー”をマキシマムに拡張する「ether」のコラボレーション・ナイト「Local World x ether」がclubasiaにて6月19日に開催される。全19組の出演者が入り乱れ、インスタレーションも交えた次世代のブレイク&マッシュ・パーティとなる一夜を直前に控える中、「Local World」主催の解放新平が「ether」の文脈を改めて紐解く。さらに「ether」のメンバーによるプレイリストをAVYSSにて公開。 Text by 解放新平 (Local World / melting bot / WWWβ) 2016年よりWWWにて海外アーティストの招聘含むパーティ・シリーズとしてLocal World始動(過去23回開催)、翌年にクラブ・オルタナティブを掲げるWWWβを始動、その約5年の月日を経て、オルタナティブ(表現として)なエレクトロニック/ダンス・ミュージックを軸にシーンを現場のプロモーターとして振り返ると、コロナ禍で多少の減速はあったものの、着実に変化は起こっている。 これまでの多くの新しさや音楽的な進歩はエレクトロニック/ダンス・ミュージックであればリズム、テキスチャ、地域性などを交え、ジャンル名や事例、そのジャンルの歴史や周辺で起きてきた文脈で紐解き、まとめて感じることが出来ていたように思える。この一年のコロナ禍で現場での連帯を失い、多くの音楽がネットを通じ、パーソナル・レベルで更新されていく世界で〈ether〉(エーテル)の新しさを言葉にすると、ここ数年で浮かび上がってきた最新モードの一つHyperpopを当てはめるのが一番手っ取り早いが、そのパブリックのイメージと個々の感覚のズレは日々大きくなってゆくことから、自分が実際現場を通じて実感した下記の変化から、〈ether〉を見てみることにした。 ・非中央集権主義→アジアとアフリカの市場拡大から刺激されるクリエーションとアイデンティティ ・歴史的文脈からの脱却→権威の弱体化、縦ではないフラットな価値観 ・クィア・カルチャーの台頭→ビジュアルとアクティビズムの活性化 の3つに大きく分けることができる。より音楽的にフォーカスすると、 ・脱構築/エクスペリメンタル→ジャンルの流用と越境の標準化 ・過去ジャンルの発掘→90sレイヴ再興等(一部は00年代へ移行) ・メインストリーム(トラップやEDM等)の影響→ポップスとアンダーグラウンドの変容 ※これ以上あげるとキリがないのと項目ごとに説明するとかなり長くなるので省きます こういった変化が背景や下地にあり、その真新しい文脈の中で生まれるサウンドやビジュアルのセンスをパーティという空間を通して具現化しているのが〈ether〉(エーテル)である。〈ether〉は欧州にいたBaby Loci、USにいたsudden starを中心に昨年帰国後東京にて発足、ポッドキャスト〈Adults Play Radio〉を運用しながらメンバー・チェンジも経て(本年speedy lee genesisが加入)、ウェルネス&オーガニックをコンセプトとしたマルチメディアクルー/コレクティブと自称している。過去3回、シークレット、SPREAD、Forestlimit (K/A/T/O MASSACREとのコラボレーション)でインスタレーション交えパーティを開催している。同世代を軸としたラインナップでありながらも、世代に捉われることなく、また音楽、ファッション、アート、そして現代的なアクティビズムが有機的に交わる、所謂”パーティ”だけではない今後の活動も楽しみな存在である。その一部が垣間見える3人のメンバーによるプレイリスト、そして2020年代の訪れを強調した”ハイパー”なクラブ・オルタナティブを今週末clubasiaにて開催されるパーティで是非体感&目撃して欲しい。 – Baby Loci レイヴサウンドを経て、クラブエディット、ニュースクールゲトーなどのベースミュージックに人間らしさを求めDJとして活動。speedy lee genesis らとオーガニック•ウェルネスのコンセプトを落とし込んだコレクティブetherを始動し、さらにsudden starとDIYアーティストをキュレートするAdults Play Radioを香港コミュニティラジオでレジデントとして配信中。 https://soundcloud.com/babyloci 「エーテルのクラブミュージック担当🥵Baby Lociが選ぶ十曲。ゲトーエレクトロにハマり始めた頃のリピ聴きナンバーワンから、コロナ初期のオンラインレイヴに出てくる代表的なナイトコア、ポップソングに軽めのビートいれるブートレグ、ASMRアカペラのようなアフターのアフターに聞ける曲まで。」 https://soundcloud.com/babyloci/sets/avyss-press-playlist/s-4MXqVGnk1ZC – sudden star トラップ、ナイトコアのZ世代ノリをアグレッシブなUKベースのドリル、ジャングルに織り込むライブ感覚DJ。Baby Loci, Speedy Lee Genesisと共にEtherで活動し、HKCRでのレジデントも務める。最近はDIYの服も制作中。 https://soundcloud.com/sudden_star 「最近自分が音楽を聴くときに感じたいフィーリングをプレイリストにしました。前半はポストロックなノリで、後半はもう少しクラブ寄り。6/19のイベントでの、ジャンルで区別できないキュレーションも意識してます。身近な存在で尊敬している人たちの曲もいれました。」 – speedy lee genesis speedy lee genesisは、現在からstylistic beautyをとらえ、変容するDJ・演出家です。メインパーティーはNeoplasia(東京)、Ether(東京)です。 https://soundcloud.com/slgene 「昨年は、沖縄・琉球やインドネシアのガムランのフレーバーの混じった音楽を聴いて過ごす時間が長かったです。耐えられないことが起きて何処かへ消えてしまいたくて、でもどうしようもない!みたいな日々だったから、このセラピーのスケールに助けられました。なんとなく、ソーシャルを感じない、インターネットの下層に埋もれたページを彷徨っているのと似た気持ちになります。いまとなってはもう何処にもそんなスペースは無いのかも知れませんが。プレイリストには、神秘主義的なものから、トラップ、2000年サミットのアンセム、ニューメタルアルバムのインタールード的なものまで、お気に入りの曲をいれました。現実がしんどくて沈黙するしかないって感じの人も、どうか気負わずに19日のエーテルに遊びに来てくれたらなと思っています。」 YAS-KAZ – FINALE – CALENDER https://open.spotify.com/track/65UsVlWyMowdBfv6T5rPb6?si=549146773361443b Chief Keef –
2021/06/02
6月19日clubasiaにて開催 コンテンポラリーなリズム&モードを探求する「Local World」、”ハイパー”をマキシマムに拡張する新鋭「ether」のコラボレーション・ナイトが全18組の出演者を招きclubasiaにて6月19日開催。 ハイパー世代におけるDIY、ゲトー、エモ、クィアネス、インターネット、ミーム、ストリート、現行ユース・カルチャーの多様なムードが入り乱れる、アートやファッション含むインスタレーションも交えた次世代のブレイク&マッシュ・パーティ。 Local World x ether SAT 19 JUN 2021 at clubasia OPEN 23:00 *LTD 200 people ADV/U23 ¥2,500+1D | DOOR ¥3,000+1D – Local World LIVE: Prius Missile Ultrademon DJ: ¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U – Experimental EMO set – E.O.U DJ 10RPM a.k.a HAIZAI AUDIO nasthug 脳BRAIN – Juke 2k2? – – ether LIVE: Kazumichi Komatsu Yokai Jaki Yoshitaka Hikawa DJ: Baby Loci speedy lee genesis sudden star YNZ VALENTINE 4ngelkidz Installation: 18virgin & cityofbrokendolls Wearable Art: comez.and.goes by msimy_ yusei Artwork: ssaliva ※You must be 20 and
2020/02/07
Make Techno Black Againによる主催 コレクティブ / エージェンシー〈Discwoman〉の創設メンバーであり、ブルックリンのテクノシーンの震源地の1つであるBossa Nova Civic ClubのブッカーであるFrankie Decaiza Hutchinsonによって2019年にスタートした「Dweller Festival」は、エレクトロニックミュージックの黒人アーティストに焦点をあてたフェスティバルである。 今年も2月6日から9日までの5日間にBossa Nova Civic Club、Nowadays、シークレット会場などで開催されている。今回、「Dweller Festival」のオープニングイベントとして2月5日行われたディスカッションの映像が公開。Luz Angelica FernandezとTing Dingが手がけるNYの新鋭ブランド〈HECHA / 做〉とクリエイティブエージェンシーGrit Creativeによるプロジェクト〈Make Techno Black Again〉の主催で行われたディスカッションの議題は、白人が独占するシーンにおけるテクノの商品化や商業化について。 ディスカッションの参加者はFrankie Decaiza Hutchinsonをはじめ、〈Purple Tape Pedigree〉からも作品をリリースするアーティストであり、ライターのDeForrest Brown Jr.、プロデューサー / キュレーターCamille Crain Drummond、DJのSyanideの4名。ハウス / テクノシーンにおけるの黒人の歴史や体系的でローカライズされた人種差別、シーンやコミュニティの構築などについて語っている。 「Dweller Festival」の詳細はこちら。
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