2021/05/24
代々木TOHにて
新井健と谷川果菜絵が、2015年に結成した日本のアーティスト・ユニットMESが、4年ぶりとなる個展『DISTANCE OF RESISTANCE/抵抗の距離』が代々木のアートスペースTOHにて開催。
本展の企画主催はMES、企画協力は昨年2020年の7月末に雑居ビルの取り壊しの影響により漂流中となったアートスペースFL田SHのディレクターである吉田山。MESは学生時代に彫刻の作品素材として独学でレーザー技術を会得し始め、作品制作と並行し、VJや演出家としてレーザーアニメーションを駆使した空間演出を行い、これまで美術にとどまらない多くのイベントやパーティー、音楽やファッションとクロッシングする活動を展開してきた。
2018年にMESが表現活動の場としていた渋谷のクラブ・青山蜂の摘発を契機に都市開発や法整備の不条理を目の当たりにして以降、工事現場の仮設資材やクラブカルチャーの様式や歴史を作品に取り入れ、社会の不条理や混沌をリフレクトするように、社会がスペクタクルに呑み込まれる様相を写しとる作品を制作している。
「ANB Tokyoオープニング展 ENCOUNTERS『NIGHTLIFE』」作品 (ANB Tokyo 2020)
meltdown pt.2 “cakeshop”
今回の展覧会では、2018年から3年間にわたって継続的に制作してきた<LASER-WRI/LIGHTING レーザー・ライティング>シリーズを一挙に発表。東京の街を舞台に「暗くなっている」場所に向けてレーザーのメッセージを照らし出すパフォーマンスとその記録で、結成から5年、初期MESの集大成といえるシリーズとなる。
兵器として開発されたレーザーは、現在では照明あるいは工作機械として普及し平和的に利用されてきた一方で、香港のデモやヴォイナの作品に見られるように、国家権力への反抗の装置としての役割も果たす。東京オリンピック・パラリンピックを理由としたジェントリフィケーションに取りこまれていくアートやクラブカルチャーの流行に抵抗するようにMESがストリートへ放つメッセージは、行為への周到な用意に反し、一瞬の輝きを残して跡形もなく消え去る。その様子は、映像や写真を通してしか見ることができず行為(パフォーマンス)の真実性について揺さぶりをかけていく。
会期中は様々なアプローチで社会に問いかける作品を制作してきたアーティスト達との対談を設け、展覧会後、展覧会アーカイブと対談を収録した記録集としてのZINEを発売予定。
2020年から現在、東京オリンピック・パラリンピックと新型コロナウイルスによるパンデミックを取り巻く政治のありようは、その開催と収束のために芸術文化を苦しめ、排除と貧困を加速させていく。この状況に対して、展覧会の表題作「DISTANCE OF RESISTANCE/抵抗の距離」をはじめとしたMESの作品群は、芸術から今の日本社会へ儚くもダイナミックな抵抗のポーズを示す。
展覧会タイトル
「DISTANCE OF RESISTANCE/抵抗の距離」
出展作家
MES(メス)
企画協力
吉田山(FL田SH)
グラフィックデザイン
山田悠太朗
記録撮影
遠藤文香
会場
「TOH」
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ケ谷5丁目20−11 第一シルバービル 1B
*EVはありません。
会期
6月8日[火]ー15日[火] 会期中無休
営業時間
13:00-20:00(最終入場19:30)
*緊急事態宣言延長の場合でも、感染症対策を徹底し開催いたします。
入場料
一般 1000円
学生・障害者手帳 500円
高校生以下無料
*DM、トーク配信URL付き
MESとのトーク収録
ゲスト(平仮名での名前順)
秋山佑太、トモトシ、中島晴矢(FL田SH展覧会「芸術競技」出展者)
磯村暖、花崎草
Elin Mccready
小林勇輝、小宮りさ麻吏奈
SIDE CORE
(日程詳細は展覧会MESまたはTOHのSNSにて近日公開予定)
*アーカイブ有り。会場で配布のDMに付属のURLから観覧が可能です。または記録集のオンライン予約にURLが付いてきます。
category:NEWS
tags:MES
2022/07/29
8月10日 Contact Tokyo レーザーVJや美術家として活動するアーティストデュオ・MESが、閉店前のContact Tokyoにて、新しいパーティー〈REVOLIC -revolution holic/革命中毒-〉を開催。 〈革命〉をテーマに、クラブシーンと美術シーンの双方で活躍するアーティストをはじめ、様々な表現分野の革命家たちを招聘し、ヴィジュアルとサウンドが拮抗するパフォーマティブなセット、Contact初出演のアーティストラインナップや初披露のコラボレーションを届ける。100以上のイベントを渡ってきたMESの視点から、渋谷のクラブシーンの変化を前に、これからのラディカルなパーティーとは何か?を問いかけ、クラブを楽しむためのセーファースペースをどのように作っていけるか?を模索していく。 If I can’t dance I don’t want to be in your revolution. –Emma Goldman 私にとっての革命は君にとっての退屈であり、私の革命はやがて君の革命によって革命でなくなる。 –MES – REVOLIC -revolution holic-/革命中毒 日時、会場/DATE,VENUE 2022年8月10日(水)祝前日 22時-翌5時 August 10th 2022(WED) BEFORE HOLIDAY 22:00-5:00 Contact Tokyo 料金/ENTRANCE ・当日/DOOR ¥3500 ・フライヤー持参、Facebook割/WF,FB ¥3000 ・前売り/ADV ¥2500 ・23歳以下、23時前入場/UNDER23,BEFORE11PM ¥2000 ラインナップ/LINE UP (記→A→ん) ✴︎聴/SOUND PLAYER✴︎ ∈Y∋ DIV☆ DJ SHOTA GOMESS Hana Watanabe HBK+ IQ3 Jan Urila Sas KAIRI Katimi Ai keita Mari Sakurai +7e Mars89 MIRA新伝統 Muslim Rock Sh0h ultrademon XLII 荘子it バイレファンキかけ子feat.田島ハルコ 春ねむり 山川冬樹 ✴︎視/VISUAL PLAYER✴︎ MES MIRA新伝統 ZECIN 近藤銀河 布施琳太郎 米澤柊 ✴︎店/SHOP✴︎ NAZE super-KIKI 高島鈴 from ALTSLUM ✴︎宣伝美術/VISUAL DESIGN✴︎ Heijiro Yagi ✴︎食/FOOD✴︎ eetee 詳細:https://www.contacttokyo.com/schedule/mes-presents-revolic/
2023/05/19
5/21 – 6/11 月極 メタリックな質感とサイケデリックな色彩が「Chrome Type」というデザイン的ムーブメントのパイオニアとして、その名を世界に轟かせたGUCCIMAZE。デジタルだから可能にした独自の立体感や奥行き、そしてグラフィティー感あるタイポグラフィーで、国内外の様々なクリエイティブワークを行ってきた。 音楽関係ではFetty Wap、Post Maloneへのグラフィック提供やFlying Lotusのアルバムタイトルロゴ制作、企業案件ではGoogle、SONYへの作品提供、アパレル関係ではCalvin Klein、UNDERCOVERへの作品提供、さらに2022年にはadidas Originalsとのコラボレーションスニーカー『Ozrah by GUCCIMAZE』を製作し世界中で発売。 そんな順風満帆に見える彼が、掲げた本個展のテーマが、DEST(DESTINATION)= 目的地。というのも、ここに来て現在の自分に明確な目的・目標がないという。 ノートに好きなレタリングやグラフィティを描き続けていた少年時代を過ごし、美大へ進学、デザイン事務所勤務を経てフリーランスのデザイナーとしてのクリエイティブワークを軸に活動してきた彼は、物心が付いた頃から目指していたグラフィックデザイナーとしての目標を達成してしまっていたのだ。 それでも絵を描くこと、製作することが好きな彼は、止まることなく動き続けることを選択し、不明確な目的地(DEST / DESTINATION)へ向かって歩き出す。 ディーゼルアートギャラリーでの個展から、約3年ぶり2度目の個展である『DEST』は、そんな彼が新たな目的地を探す旅の第一歩。模索しながらも進もうとする姿を視覚化した内容で、彼の新たな未来への挑戦を表現したもの。 目的地を探す旅となる本個展で、彼がまず考えたのがGUCCIMAZEとしての原点回帰。 注目すべきは、今まで発表してこなかった手書きによる巨大なグラフィック作品。下書きを全て手書きで行う彼の原点の1つであり、新たな目的地を導き出すための手法の1つだった。 さらに、彼のカルチャー的ルーツに基づき製作したのが、日本を代表するサーフブランド『ジャスティスサーフボード』別注のオリジナルサーフボード。彼の独自なスタイルを彷彿させる鋭利的ラインで形どられた唯一無二のサーフボードとなった。 他にも、目的地へと向かうための「乗り物」をモチーフにしたアメリカ西海岸で生まれたローライダー系の文化を彷彿させるグラフィック作品や、3DCGアーティスト AsahiNaや韓国のグラフィックアーティスト WRECKとのコラボレーション作品など、GUCCIMAZEの表現の幅広さが見れる新作のみの展示となる。 個展『DEST』を経て、彼はどんな目的・目標を見出すのか。手探りしながら進んでいる今、どんな表現をしているのか。 会期中は展示作品やオリジナルサーフボードを販売するほか、本展示のメインロゴとなるMAZEエンブレムのTシャツやエアフレッシュナー、作品を活かしたステッカーなど、ファンなら必ずゲットしたいグッズも充実。さらに、ガスアズインターフェイス株式会社より過去の作品やクライアントワークから選りすぐったGUCCIMAZE®の作品集『GAS BOOK 37 GUCCIMAZE®』も予約販売される。 < GUCCIMAZE Solo Exhibition “DEST” > 会期:2023年5月21日(日) – 6月11日(日) ※月火水休廊 開場時間:14:00 ~ 20:00(木/金/土) 13:00 – 19:00(日) 入場:無料 会場:月極 住所:〒152-0001 東京都目黒区中央町1丁目3-2 B HP:http://tsukigime.space Instagram:@tsukigime.space < GUCCIMAZE Solo Exhibition “DEST” Opening preview> 会期:2023年5月20日(土) 開場時間:17:00 – 22:00 入場:無料 会場:月極 & メグロネオン 住所:〒152-0001 東京都目黒区中央町1丁目3-2 B1 HP:http://tsukigime.space Instagram:@tsukigime.space / @meguroneon < GUCCIMAZE Solo Exhibition “DEST” Opening Party
2022/04/05
Prius Missileが音楽を担当 ギャラリー「The 5th Floor」にてグラフィックデザイナーの八木幣二郎による個展『誤植』が開催。「誤植」とは、印刷物における文字や数字、記号などの誤りのこと。この展覧会は、「誤植」をテーマとした陶芸や音楽、印刷物、映像を、ひとつのサイエンスフィクションを可能にする「デザイン」として展示するものである。 これまで八木は、ファッションや現代美術、音楽、映画の広報物やカタログ、ウェブサイトなどのデザインで高い評価を受けてきた。それは情報を美的に整理するだけでなく、「人類にとって文字とは何か?」「印刷とは何か?」という深淵な問いに支えられた仕事である点で、他のデザイナーと一線を画すもの。 「日本語で『文字』と呼ばれる対象は、英訳するなら『creature』だ」と述べる八木は、ZBrushをはじめとした3DCGのモデリングソフトやレンダリングソフトのなかで演算された筆触を用いて、文字がクリーチャーであった記憶を再生する。それは本展キュレーターである布施が企画した『沈黙のカテゴリー』のポスター、個人作品である『creature typeface』などに顕著だ。クリーチャーであると同時に、文体を操作する、文字の記憶の操作。それこそが八木にとってのデザインの両義性であり、本展はこの両義性をデザイナーとしてあらためて結晶化するものである。 またこの展覧会は、様々なクリエイターとの協働という点でも注目に値する。次世代のミュージシャンとして注目を集めるPrius Missileは、本展のために八木が作り出した「文字」(creature)の読み解きによって、新たな音楽作品を制作。また八木は陶芸家の神保淳と共に粘土を練り、焼くことで、私たちの身体の耐用年数を遥かに上回るデザインの支持体を作り出し、そこにクリーチャーとしての文字が定着したという。 こうして「文字」(creature)が、いくつもの仕方で読み取られ、定着され、展覧会というひとつの環境を構築するプロセスを「デザイン」として提示することが本展のねらいだ。八木の作り出す文字は、サイエンスフィクションにおけるガジェット以上のリアリティで、私たちの認識へと侵蝕し、ありえるかもしれない文字文化へと私たちをアクセスさせてくれるだろう。 – 開催概要 会期:2022年4月1日–14日 時間:12:00–20:00 会場:The 5th Floor 入場料:500円 – キュレーション:布施琳太郎 音像:Prius Missile 陶芸:神保惇 配線:竹久直樹 主催:HB.nezu、アセファル
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