2021/05/19
JRPGスタイル・ファンタジー
ロンドンのプロデューサーDark0が、先日リリースしたシングル「Shining Star」に続き、デビューアルバム『Eternity』を〈YEAR0001〉よりリリースすることを発表。合わせて新たなシングル「Wait for Me」を公開した。映像は友人であるイラストレーターのConor Chignoliと、Team RockitのメンバーであるVictor Svedbergによって手掛けられた。
『Eternity』はサガシリーズのようなJRPGで描かれるファンタジーの世界観を基にしており、聴く者を物語の主人公として受け入れる。そして、Dark0の象徴的なトランスやグライムのサウンドは、冒険のサウンドトラックとして役目を果たす。
– 子供時代やあなたの歴史について教えてください。
Dark0 – 母はセルビアから、父はパキスタンからロンドンに移り住んできました。子供のときはとても楽しかったですね、幼馴染たちのほとんどが移民の一世の両親のもとで育っていて、みんな共通する部分を持っていたから。所謂「マイノリティ」なんですけど、住んでいた地域では私たちの数のが多かったので、そんな風に感じませんでした。CDや雑誌、食べ物、文化など、たくさんのものを共有できていたし、素晴らしい雰囲気がそこにはありました。もう遠い昔のことのように思えるけど、当時のことはとても鮮明に記憶しています。
– 幼い頃からゲームの世界(SaGaシリーズやJRPGなど)は身近な存在だったのでしょうか?
Dark0 – 私の父は航空会社でエンジニアとして働いていて、家族に会うためによくパキスタンに帰省していたんです。父はPS1の海賊版のソフトを大量に持って帰ってきてくれて、改造したプレイステーションで遊べるようにしてくれたんです。改造したのは、ウェンブリーマーケット(有名なサッカースタジアムのすぐ隣)でした。毎週末にマーケットが開かれていて、PS1の中にチップを入れて、EUだけでなくアメリカや日本のPS1のゲームを動かせるようにしてる人たちがいました。とにかく、父が戻ってくると、私と弟は狂ったように積み上げられたゲームをスクラッチカードのように一つ一つ試していくんです(笑)。『ペプシマン』や『スリルキル』(暴力的内容で発売直後に発売禁止になりました)などの奇妙なゲームを発見したりしました。その中には『Threads of Fate(デュープリズム)』や『クロノ・クロス』といった(日本のスクウェアの)タイトルもあって、これらはEUでは発売されてなかったんです。ゲームショップの棚に並んでいるのも見たことがなかったし、友人からも聞いたことがありませんでした。それが珍しいし、宝物みたいで、まるで私のために作られたかのような感覚があったんです。だから、大切にして本当に夢中になって遊びました。父が次にパキスタンに行くときに次に欲しいゲームや続編を書いたリストを渡して、探してもらいました。そんなプロセスを経て、ゲームの音楽は私にとって特別なものになっていったんです。
– 今回のアルバムでは、サガシリーズのようなファンタジーの世界観と音楽との結びつきが表現されています。テーマについて詳しく聞かせてください。
Dark0 – 今回のアルバムの核となるテーマは、「友情」と「運命の共有」だと思っています。それがどのように感じられ、どのように現れるのかを視覚的に表現するのは難しいのですが、これらのテーマはファンタジー作品にはつきものです。それを伝えるために、そして永遠の絆を示すために、視覚的な表現を借りるのは適切だと思いました。幸運なことに、私の親友であるConor Chignoliがこの物語に基づいてイラストを描いてくれて、Sybil Montetがそのイラストをアニメーションに変換してくれました。この作品は、友情の輪と困難な状況を乗り越えるためにビジョンを共有すること、闘いや悲しみを支えてくれる人々に捧げられています。
– アルバムは、それ自体がひとつのストーリーを形成しています。サウンドトラックとしては、どのような意図はありますか?
Dark0 – 最初にビジュアルのアイデアを出し、それに基づいて音楽的なアイデアを作り、キャラクターや環境が生まれるまで、あるいはトラックが完成するまで、常にお互いに進化させていくという反復的なプロセスがほとんどでした。テーマや歌詞も明確になってきて、プロジェクト全体が展開していく中で、まるで自分がその物語にいるようでした。途中だったストーリーに命を吹き込んでくれたフィーチャリング・アーティストもいます。一方で、プロジェクトの最初から、明確なプロットが必要だとは思っていませんでした。聴いてくれる方には、自分がファンタジーの主人公のように、自分自身の物語として音楽を解釈してほしいです。
– ちなみに今はどんなゲームをしてますか?フェイバリットも教えてください。
Dark0 – 今は『Call of Duty : Warzone』や『Rocket League』などの対戦型ゲームをよくやっています。今年は一人用のゲームをプレイするには、時代的に違うかなと感じてます(笑)。対戦ゲームでは、マイクを使ったコミュニケーションを楽しむことができますし。『Rocket League』では世界のトップ1%に入るぐらいで、ほぼ「グランドチャンピオン」のレベルに達しているんですよ。でも、『Call of Duty : Warzone』は難しくて、『PUBG』や『Fortnite』、『Apex Legends』から移行してきたバトルロイヤルプレイヤーに負けてる気がします。でも、友人達と一緒に楽しんでいますよ。フェイバリットタイトルは、『FF9』、『ポケモン ルビー』、『鉄拳3』、『グランディアII』、『FIFA 13』(史上最高のチェルシーのチーム)、『Quake III: Team Arena』です。
– 今後の展望や、予定を教えてください。
Dark0 – 国外に出ていきたい。日本に遊びに行きたいですね。あと素晴らしいアーティストとコラボレーションしているプロジェクトがあって、来年中には発売される予定です。個人的には、友達に会って、太陽の下でバーベキューをしたり、ハウスパーティーをしたいです。
– Please tell me about your childhood. / Can you tell us about your personal history.
Dark0 – I was born and raised in North West London, my Mum moved to London from Serbia, and my Dad from Pakistan. Childhood was fun where I lived, most of the kids I grew up with also had 1st Generation immigrant parents – we all had that in common. So even though technically we were considered ‘minority’, it never felt that way in my area as there were so many of us. We shared a lot of shit together like album CDs, magazines, food, culture, whatever. It was a huge vibe. Seems like a lifetime ago now, but I have very vivid memories of that time.
– Was the world of video games (SaGa series / JRPGs?) originally close to you in your musical life?
Dark0 – My Dad worked for an airline company as an engineer, and would often take trips back home to Pakistan to see family. When he’d come back, he’d bring back a bunch of PS1 CD’s that were copied (fake) for us to play on our modded Playstation. I got my PS1 modded in Wembley market (right next to the famous football stadium). There would be a market every weekend, and there were people who would put a chip inside your PS1 so it could run PS1 image CDs from US/JP as well as EU. So anyway, when my Dad came back, me and my brother would go through this crazy pile of CDs testing each game out like they were scratchcards lol. I discovered fucking weird games like Pepsi Man and Thrill Kill (which was banned shortly after release because of its violent content). But among some of those games, were titles like Threads of Fate, Chrono Cross. These games were never released in the EU and I’d never seen them on shelves at game stores, and any of my friends had never heard of them. So they felt extremely rare, almost like they were treasures and that they were made just for me. So I held them really close to my heart and played them intensely. I’d then write lists of other games/sequels that I’d want and send them with my Dad when he went on his next trip to Pakistan to hunt them for me. That whole process of discovery made the music from these games even more special.
– With this album, the connection between fantasy like the saga series and your music has strengthened. Why did you choose this theme?
Dark0 – I think the core theme of my album is friendship and shared destiny. Its hard to describe visually what this feels like and how it manifests, but those themes are omnipresent in fantasy titles, so borrowing that visual language felt appropriate to convey that, to show what eternal bonds look like. I was lucky enough to work with my closest friend Conor Chignoli who created illustrations based on this premise, and with Sybil Montet who channeled these illustrations into animations. The album is dedicated to friendship circles and the people who get you through tough times, who share your vision and support you in your struggle, your grief, and I think now more than ever, people can relate to this.
– This album seems to form a fictional story in itself. Did you intend it to be a soundtrack?
Dark0 – It was an iterative process mostly, forming initial visual ideas, making musical ideas based on this, then evolving each other constantly until a character/environment was born or a track was finished. The themes and even the lyrics became apparent and it was almost like they were writing themselves as the whole project began to unfold. I have some featured artists who brought some of the tracks to life with the story that was being written. On the other hand, from the beginning of the project I didn’t feel like it needed a definitive plot, I want anyone who listens to interpret the music as their own story, like the protagonist of their own fantasy.
– Do you usually play video games? Please introduce your fave titles.
Dark0 – Right now I’m playing a lot of competitive games like Call of Duty: Warzone and Rocket League. I think it’s been too secluded of a year to play single player games lol. I’m enjoying the whole microphone communication aspect of competitive games, it gets frantic, lowkey heated at times lol, but I love that. and also climbing the steep skill curve that these games have. I’m pretty fucking good at Rocket League right now top 1% in the world, and am almost at ‘Grand Champion’ level. Warzone is hard though, I feel like so many people who migrated from PUBG, Fortnite, Apex Legends, who have been playing battle royale games for a while now, are ruining me. But I’m enjoying the grind with my homies! My favourite titles are FF9, Pokemon Ruby, Tekken 3, Grandia 2, FIFA 13 (best Chelsea squad ever) and Quake 3 Team Arena
– Do you have any future plans?
Dark0 – I need to fly out of the country, maybe come visit Japan!
Other than that, I’m collaborating with some amazing people/artists on projects that’ll be out some time in the next year. Personally though, I want to see my friends, have some barbeques in the Sun, some house parties.
Dark0 – Eternity
Label : YEAR0001
Release date : 4 June 2021
Tracklist
01 Eternity
02 zeroGen
03 Infinite Edge
04 Nova Bridge
05 Shining Star
06 Born From Decay
07 Storm_Earth
08 Wait For Me
09 Promise
category:FEATURE
tags:Dark0
2021/04/21
新曲「Shining Star」の映像作品を公開 ロンドンのプロデューサーDark0が、新曲「Shining Star」を〈YEAR0001〉よりリリース。楽曲の持つストーリーを、ビデオゲームの世界観と繋ぎ合わせた映像作品も公開した。 本映像は、スクウェア(現スクウェア・エニックス)が1989年にゲームボーイ用ソフトとして発売したロールプレイングゲーム『魔界塔士Sa・Ga』を始まりとする『ロマンシング サ・ガ』や『サガ フロンティア』などを含むサガシリーズの世界観にインスパイアされているそうだ。 Sybil Montetが、3DソフトウェアプラットフォームCinema 4Dを用いて制作した「Shining Star」の映像化作品はサガシリーズの新規タイトルかと思わせるような美しいファンタジーの世界と、Dark0によるエターナルなトランス・サウンド、ピッチシフトされたボーカルが絡み合い、これから始まる過酷で長い冒険を予感させる。 今作の映像についてDark0は次のように語っている「Sybilと2016年に初めて出会って以来、私たちは親密な関係を築き、一緒に仕事をする上でどのようなビジュアル・アイデンティティを築いていきたいか、相互理解を深めてきました。ヒーローや永遠の友情の絆から影響を受けていて、運命、宿命、それらをどのように表すのかというアイデアを探求しています。」 Dark0は、ここ数年、謎めいた存在感を放ちながらも、アンセミックなクラブミュージックやリミックス、ストーリー性のあるミックスを発表してきた。2014年に〈Lost Codes〉から、2015年に〈Rinse〉からそれぞれ作品をリリースし、ビデオゲームミュージック、グライム・クラブトラックや実験的なポップスを探求している。 Evian Christと一緒にイギリスで行った一連のライブパフォーマンスに続き、ニューヨークのランドマークであるMoMA PS1でもパフォーマンスを行い、その後の2016年にはイギリスのレーベル〈XL Recordings〉から4曲入り作品『Oceana』をリリース。トラップやグライムにDark0の象徴的なトランスを注入し、現在に続くそのスタイルを確立させた。 2017年に自主制作したEP『Xenotype』では、トレードマークであるハードなトランスサウンドを拡張させ、怒りに満ちたベースライン、蛍光色に輝くメロディー、陶酔するような多幸感を融合させた。昨年〈YEAR0001〉からリリースした映画のサウンドトラックような最新作『ZERO2』は未発表のトラック、レアなコラボレーションなどを集めたもので、収録曲にはVisionist、Malibu、Ocomeupsを召喚させている。 「Shining Star」はDark0が描くファンタジーの始まりに過ぎない。そして、このレコードは愛の宣言となるとのこと。 Dark0 – Shining Star Label : YEAR0001 Release date : 21 April 2021 Stream : https://yr1.se/shiningstar
2020/08/23
Malibu、Visionist、0comeups参加 ロンドンのプロデューサーDark0が新作ミックステープ『ZERO2』をスウェーデンはストックホルムの〈YEAR0001〉からリリース。 2014年に〈Lost Codes〉からリリースされたEPで注目を浴び、Evian ChristとのUKでのライブパフォーマンスや、ニューヨークのMoMA PS1でのパフォーマンスを経て、2016年にロンドンを代表するレーベル〈XL Recordings〉からEP『Oceana』をリリース。2017年にはToonamiネットワークで放送されているアニメ「ドラゴンボール超」に楽曲が使用された。トランシーなシンセやリフとトラップやグライムを融合し、非常にエモーショナルな楽曲が揃った今作には、Malibu、Visionist、0comeupsがゲストで参加。さらに今年中にデビューアルバムもリリース予定とのこと。 Dark0 – “ZERO2” Label : YEAR0001 Release date : August 21 2020 Stream / CD : https://yr1.se/zero2 Tracklist 01. Oxygenesis 02. Eye Ingnite ft. 0comeups 03. After Years 04. Hardwire 05. Opia ft. Visionist 06. U I C 07. Lilith 08. Tooly 09. Reverie Eternity ft. Malibu
2023/09/01
アルバム『Fanfare』より 変幻自在ポップ・フューチャリスト、ヴィジュアル・アーティスト、ファッショニスタ、ジョーカー、インターネット哲学者。Dorian Electraが10月にリリースする3rdアルバム『Fanfare』から、リードシングル「Puppet」のMV公開。MVはクリエイティブ・パートナーWeston Allenが引き続き手掛けている。 アルバムアートワークはCharlotte Rutherfordが担当。プロダクションには現在活動停止中のKLAXONSのJamie Reynoldsや、AJ Simonsが参加している。 Dorian Electra – Fanfare Release date : October 6 2023 Pre-save : https://dorianelectra.komi.io/ Tracklist 1. Symphony 2. Idolize 3. Freak Mode 4. Sodom & Gomorrah 5. Puppet 6. Manmade Horrors 7. Yes Man 8. anon 9. Phonies 10. Touch Grass 11. Lifetime 12. Warning Signs 13. Wanna Be a Star
受け手の自由に寄り添う作品
more
SoundCloud発、中国ラップスター more
東京・大阪を回るジャパンツアー開催
more