2021/05/06
過去の問題をどのように未来へ持ち込めるか
Yen Techが、2016年のデビューアルバムにして、エレクトロニックラップ怪作『Mobis』以来となる2ndアルバム『Assembler』のリリースを発表。
今作『Assembler』で、Yen Techは新しい形でその姿を現した。未来的なプロダクション、メタサイエンスフィクション、人類学的批評を目まぐるしく変化させたシナリオを融合させた多層的作品であり、指数関数的にフルスタックの未来についての迷路である。
この想像上の未来は、それ自体がひとつの構築物、あるいは場所となり、レコードはうなり声を上げ、群れをなしている。メロディックなヴォーカル・サンプルとサウンド・デザインの機械的な球体であり、すべてのナレーションはYen Techの気が遠くなるような日記である。私たちは、判読できない言葉や説明文を次々と暗唱しながら、混乱した人物を追うことになる。メタモルフィックな歌詞と音楽的な幸福感によって、今作は一種のエレジーであることも明らかになった。
「私はAssemblerを、自分に課せられたシミュレーションのようなもの、つまり語り手が前に進むために乗り越えなければならない見えない境界線として想像しました。これは、私たちが過去の問題や失敗をどのようにして未来に持ち越すことができるかを考察する方法でした。歴史の心理的なお荷物、ジオトラウマの罪悪感、テクノロジーの中毒性のあるメランジ、これらすべてが、この受け入れと回復の段階で扱われます。私はこのことを念頭に置いてアルバムを書きました。私たちが誰であるかという、真珠を見つけるためのプロセスです。」
– Yen Tech
またYen Techは、謎のプラットフォーム「sil0.app」を立ち上げ、ローンチ映像を公開している。プラットフォームの詳細は明らかになっていないが、登録すると今後のアナウンスやコンテンツを受け取ることができるようだ。
Yen Tech – Assembler
Label : SVBKVLT
Release date : 28 May 2021
Format : Digital / Vinyl
All music and lyrics written by Yen Tech
Produced and arranged by Yen Tech
Vocals by Yen Tech
Additional vocals by Katy Townsend
Mastered by Raphael Valensi
Artwork and vinyl design by Johannes Schnatmann
Bandcamp : https://svbkvlt.bandcamp.com/album/assembler
Tracklist
1. Sentry
2. Arsenal
3. Leech
4. Tesserae
5. Assembler
6. Herd
7. Kernel
8. Extinction Game
9. Exegesis
10. Helix Sky
category:NEWS
tags:Yen Tech
2019/08/24
9月6日リリース。 東アフリカと東アジアのコミュニティが刺激的なコラボレーションを展開。ウガンダのレーベル〈Hakuna Kulala〉と上海ALLを中心に活動を広げる〈SVBKVLT〉が2つのEP『Slip A』と『Slip B』をそれぞれリリースする。 2つのレーベルは去年ベルリンで行われたCTMフェスティバルで初めて会い、〈SVBKVLT〉がケニアのプロデューサーSlikbackを中国ツアーに誘ったことで今回のセッションに繋がった。〈Hakuna Kulala〉からリリースされる『Slip A』ではSlikbackと、WWWのニューイヤーパーティーにも出演した33EMYBWとOsheyackに加えてYen Techとのコラボレーションがそれぞれ収録。〈SVBKVLT〉からリリースされる『Slip B』はSlikbackとHyph11Eによる共作5曲が収録。『Slip A』と『Slip B』は9月6日に同時リリース。 またSlikbackとHyph11Eは今年10月にクラクフで開催されるUnsound FestivalでB2Bを行う予定。 Slip A 01. Slikback & Yen Tech – CANE 02. Slikback & 33EMYBW – ZENO 03. Slikback & Osheyack – ONJA Slip B 01. ISHU 02. SHIMIAN 03. USINGIZI 04. Hyph11E – Black Pepper (Slikback Remix) 05. Slikback – Rage (Hyph11E Remix)
2019/03/11
SVBKVLT総決算的なラインナップで送るコンピレーション。 上海ALLのボスGazが主宰するレーベルSVBKVLTから新作コンピレーション『Cache 01』のリリースが発表。レーベルとしては6年ぶり2つ目のコンピレーションとなる。 昨年開催されたWWWのニューイヤーパーティー「Parallel Dynamics」でも来日した33EMYBWとOsheyack、同じく昨年「上東」と「Dark Jinja」に出演したHyph11eとScintii、先月新作『Forsaken』をリリースしたZaliva-D、これは相性良さそうな組み合わせTzusingとHodgeの共作、SVBKVLTから『Solstice』『Genetics』と2つのEPをリリースしている日本のPrettybwoy、昨年OsheyackとFlora Yin-Wongのリミックスを収録したEP『Scissor』をリリースしたMun Sing、今週末にYayoyanohとOrgan Tapesを客演に迎えた曲を含む新作EP『Folding Knives』のリリースを控えるSwimful、少し久々な気がするYen Techなど、なにやらSVBKVLT総決算的なラインナップで送るコンピレーションとなっている。アートワークはKim Laughton、マスタリングはNahash名義でOsheyackとコラボ曲が今作に収録されているLaura Ingallsが担当。 リリースは4/19。続報を待とう。
2023/09/29
内なる光を求め、肯定するための方法 Marina Herlopがニューアルバム『Nekkuja』のリリースを発表。リードシングル「Karada」をリリース。 前作となるアルバム『Pripyat』のリリースを待つ間、カタルーニャ出身の作曲家Marina Herlopは静寂を失っていた。彼女は、(当時は)不確かな音楽キャリアに不安を感じ、感情的に不安定になっていた。 「アパートのバルコニーに座って日光浴をする日もあった。目を閉じて、自分が庭師になって、土の中から紫色の雑草を引き抜き、嫌な思い出や吐き出したい感情を植物に見立てていた。」 音楽以外の部分に注いでいたエネルギーが、彼女の創造的牧草地に染み込み、毒を与えていた。種を蒔き、芸術に手をかけ、再び花を咲かせる。 『Nekkuja』は、Marina Herlopの最も温かく甘い感情が表層に浮き上がり、表土を突き破るための場所。彼女はこのアルバムについて、内なる光を求め、肯定するための方法だと語っており、間違いなく彼女のこれまでで最も明るくポップな声明である。『Pripyat』を育んだ先進的で実験的なタッチは健在だが、暗黒とメランコリーに魅了されたシーンでは稀なポジティブさに恵まれている。「Busa」では、華麗なアコースティック楽器のきらめくような断片が静謐な歓迎を与え、サウンドを抽象化とファンタジーへと向かわせる精密な電子処理によって中断される。Marina Herlopの歌声は、子供のような笑い声から、幾重にも重なったマットなマントラへと、音の絡み合いの中で成長し、情熱的で希望に満ちた、エネルギーに満ちた響きとなる。その活力は「Cosset」へと波及し、跳ね返るビートとドラマチックなピアノ・ロールにパワフルなモチーフを巻き込んでいく。「Karada」では、ハープのプラックと柳のようなヴォーカルにのせて、牧歌的フィールド・レコーディングが陽光のようにひび割れ、Marina Herlopの庭が劇的に広がる。彼女の歌声は、小川のせせらぎや小鳥のさえずりの中で、まるで手入れされた土地そのものに向かって歌っているかのよう。芸術家は孤高の天才であるとか、崇拝されるべき偶像であるといった見方とは対照的に、庭はそのプロセスを献身や忍耐に近いものとしてとらえるのに役立つとMarina Herlopは考えている。庭師は屋外の野生の混沌に秩序をもたらし、自然と協力して活気に満ちた永続的なものを作り上げる。親しみやすいサウンドと空想的なコンセプトを融合させながら、Marina Herlopは想像上の庭をなぞり、私たちにさまよい、不思議に思うよう促す。そしてアルバムの最終曲「Babel」では、剪定されたヴォーカル・フレーズと繊細に手入れされたオーケストラの茂みが、オレンジ、緑、青、赤で彩られている。 Marina Herlop – Nekkuja Label : PAN Release date : October 27th, 2023 https://pan.lnk.to/Karada Tracklist 1. Busa 2. Cosset 3. Karada 4. La Alhambra 5. Reina Mora 6. Interlude 7. Babel 8. Navi (Bonus Track – vinyl only)
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