2020/12/02
150名限定|12月30日開催
text by Franc Rare
曲がり角の向こうが目に映らないからといって、そこに何も無いわけではない。道中にパッと現れた景色のように、Powderは「突然」その場に居合わせた様に見えるが、少し先の曲がり角にいただけのような存在だ。未だに、わざわざ曲がりくねった道中を選んでいるのか、チラっと見えてはいなくなってしまい、なかなか全部を掴める事は少ないのだが、手がかりもなく行方をくらますわけでもなく、意地悪な道で興味を持つものをふるいにかけたりするわけでもなく、存在と印象を残して、一定の距離を保持しながら少し離れた所を走っている。
2015年ストックホルム “Born Free Records”から楽曲”Spray”を含むEPのファーストリリースや、ESP Institure “Highly EP”でのデビュー以降、日本をベースにしつつも、積極的に自己更新されない情報の少なさも手伝い、全ての動きを掴みきれていないリスナーの憶測とは平行線に、かと思えば時に期待に答えながら、落ち着きが無いようで一貫した(彼女の楽曲のように)、ジャンルマップに左右されない存在感を保ち、楽曲リリースを重ねる。
PowderのトラックやDJプレイを説明するために、”ミニマルな、浮遊感のある、ファニーな…”と、トラックの印象を表すキーワードを探してしまうと、目新しい言葉が特に思い浮かばないが、連想が尽きる事もない。突き詰めていくと、レフトフィールドなトラックである以外の何物でもないことに気づかされるが、それと同時に奇妙さが突き抜ける事なく、普遍的なダンストラックとしてのバランスを保った、オーセンティックなレフトフィールドさ、とでも形容できる脱構築的な世界感を持っている。時代を即座に感じさせるような記号を含むわけでは無く、散りばめられた仕掛けの組み合わせが綿密ながらシンプルに整理され、新しさ、という事よりも、既聴感の無さ、を追求している様にも思える。
Powderのブッキングは非常にドメスティックで、予測できない。ハイプロフィールなフェスティバルから、小さな町の特別なギグまですべてのブッキングを自身でこなすが、どこであっても「ダンスフロア」をコントロールするような場に居合わせる一貫性を保っている。…といっても、器用なフロアマスターという印象とも異なり、フロアの集合知とでも呼べる古き良きグルーブを放棄しない、実はストレートなDJでもある。
快楽的なトラックとしての機能をストイックに追求した上で、長い夜の後でのみ訪れるシンプルな感情を喚起する。メッセージや刺激はその空気感の中にのみ漂い、感覚的なものとして各々に必要なだけのパワーを与える。
規模の大小に問わず、Powderの行動を決定づけているのは、自然さだったり、私的な視点のようだが、拡大を続けるパーソナルなアウトプットが違和感無くフィットするためのギグ以上の受け皿として、自身のレーベル”Thinner Groove”も2019年より始動した。”友人のグルーブを紹介する”このレーベルでは、自身が一番大切にしている小さな、しかし全幅の信頼を置く知られざるコミュニティが少しずつ明かされていく。
全てのフロアが遠のいた2020年も、パーソナルスペースと制作のバランス、事後報告的に発表されるいくつかのオンラインアクトに加えて、レイジーなニュープロジェクトや、スローに広がるメディテーショナルなミックスシリーズなど、淡々とリラックスした雰囲気で進められる制作を、唐突なアナウンスまで楽しみにしたい。
国内でのプレイは、10月のフェスティバル”FRUE”に引き続き2度目、VENTではオープンからラストまでをナビゲートするロングプレイとなる。
– VENT BAR –
DATE : 12/30 (SAT)
OPEN : 23:00
DOOR : ¥2,500
LIMITED ADVANCE TICKET:¥2,000
https://jp.residentadvisor.net/events/1432373
FB DISCOUNT:¥2,000
(前売り券が完売の際には当日券の販売はございません)
=ROOM1=
Powder – Open to Last –
VENT : http://vent-tokyo.net/schedule/vent-bar-20201230_powder/
※VENTでは、20歳未満の方や、写真付身分証明書をお持ちでない方のご入場はお断りさせて頂いておりま す。ご来場の際は、必ず写真付身分証明書をお持ち下さいます様、宜しくお願い致します。尚、サンダル類 でのご入場はお断りさせていただきます。予めご了承下さい。
<ご来場のお客様へのお願い>
VENTでは事業者向けの東京都感染拡大防止ガイドラインに従って営業を行っております。ご来場頂くお客様におかれましては、感染拡大予防の趣旨をご理解頂き、以下の点にご協力いただきますようお願いいたします。
■体調がすぐれない場合は、決して無理をせず参加を控えていただき、保健所等にお問い合わせ頂き、その指示に従ってください。
■参加される方はあくまで自己責任となりますので、感染予防に注意をお願いいたします。
■感染対策エチケットの徹底にご協力をお願い致します。
■尚、会場内で気分が悪くなった場合は、決して無理をせず速やかにスタッフに申し出て下さい。
■先着で限定人数の入場となります。入場規制になる可能性がございますことをご了承ください。
■ご来場頂く全てのお客様にご氏名とご連絡先メールアドレスを伺います。またご入場時に体温の検温、手指のアルコール消毒を行っていただきます。
■店舗内では各所への手指消毒用設備の設置、また多くの方が触れる場所へは適時スタッフによる清掃を行って参ります。ご不便をおかけしますがご協力よろしくお願いいたします。
■新型コロナウィルス感染および拡散防止の為、スタッフはマスクを着用の上、業務させていただきますので、予めご了承下さい。
最新の情報は厚生労働省のホームページをご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
category:NEWS
tags:Powder
2021/06/29
7月9日開催 曲がり角の向こうが目に映らないからといって、そこに何も無いわけではない。道中にパッと現れた景色のように、Powderは「突然」その場に居合わせた様に見えるが、少し先の曲がり角にいただけのような存在だ。未だに、わざわざ曲がりくねった道中を選んで いるのか、チラっと見えてはいなくなってしまい、なかなか全部を掴める事は少ないのだが、手がかりもなく行方をくらますわけでも なく、意地悪な道で興味を持つものをふるいにかけたりするわけでもなく、存在と印象を残して、一定の距離を保持しながら少し離れた所を走っている。 2015年ストックホルム “Born Free Records”から楽曲”Spray”を含むEPのファーストリリースや、ESP Institure “Highly EP”でのデビュー以降、日本をベースにしつつも、積極的に自己更新されない情報の少なさも手伝い、全ての動きを掴みきれていないリスナーの憶測とは平行線に、かと思えば時に期待に答えながら、落ち着きが無いようで一貫した(彼女の楽曲のように)、ジャンルマップに左右されない存在感を保ち、楽曲リリースを重ねる。 PowderのトラックやDJプレイを説明するために、”ミニマルな、浮遊感のある、ファニーな…”と、トラックの印象を表すキーワード を探してしまうと、目新しい言葉が特に思い浮かばないが、連想が尽きる事もない。突き詰めていくと、レフトフィールドなトラック である以外の何物でもないことに気づかされるが、それと同時に奇妙さが突き抜ける事なく、普遍的なダンストラックとしてのバランスを保った、オーセンティックなレフトフィールドさ、とでも形容できる脱構築的な世界感を持っている。時代を即座に感じさせるような記号を含むわけでは無く、散りばめられた仕掛けの組み合わせが綿密ながらシンプルに整理され、新しさ、という事よりも、既聴感の無さ、を追求している様にも思える。 Powderのブッキングは非常にドメスティックで、予測できない。ハイプロフィールなフェスティバルから、小さな町の特別なギグまですべてのブッキングを自身でこなすが、どこであっても「ダンスフロア」をコントロールするような場に居合わせる一貫性を保っている。…といっても、器用なフロアマスターという印象とも異な り、フロアの集合知とでも呼べる古き良きグルーブを放棄しない、実はストレートなDJでもある。快楽的なトラックとしての機能をストイックに追求した上で、長い夜の後でのみ訪れるシンプルな感情を喚起する。メッセージや刺激はその空気感の中にのみ漂い、感覚 的なものとして各々に必要なだけのパワーを与える。 規模の大小に問わず、Powderの行動を決定づけているのは、自然さだったり、私的な視点のようだが、拡大を続けるパーソナルなアウトプットが違和感無くフィットするためのギグ以上の広がりや受け皿として、自身のレーベル”Thinner Groove”も2019年より始動した。”友人のグルーブを紹介する”このレーベルでは、自身が一番大切にしている小さな、しかし全幅の信頼を置く知られざるコミュ ニティが少しずつ明かされていく。 オープンからラストまでをナビゲートするロングプレイは、昨年末以来VENTでは2度目。オールナイトセットでは、選曲に限らないレイヤーのある空間操作にも注目しながらも、クリアなマインドで各々のベストなスペース を見つけ、長い夜をそれぞれのペースで楽しんでほしい。 text by Franc Rare – VENT BAR – DATE: 7/9 (FRI) OPEN: 23:00 DOOR: ¥3,000 LIMITED ADVANCE TICKET: ¥2,500(優先入場) https://t.livepocket.jp/e/20210709_vent_bar https://ra.co/events/1448946 =ROOM1= Powder – Open to Last – ※ 前売券が完売した場合は当日券の販売は一切ありません。またその場合は、イベント中の退店者がいた 場合も入店できませんので、前売り券をお持ちでない方はご来店されないようにお願いいたします。 VENT: http://vent-tokyo.net/schedule/vent-bar-20210709/ Facebookイベントページ: https://www.facebook.com/events/941538099752478/ ※VENTでは、20歳未満の方や、写真付身分証明書をお持ちでない方のご入場はお断りさせて頂いておりま す。ご来場の際は、必ず 写真付身分証明書をお持ち下さいます様、宜しくお願い致します。尚、サンダル類 でのご入場はお断りさせていただきます。予めご了承下さい。 <ご来場のお客様へのお願い> VENTでは事業者向けの東京都感染拡大防止ガイドラインに従って営業を行っております。ご来場頂くお客様におかれましては、感染 拡大予防の趣旨をご理解頂き、以下の点にご協力いただきますようお願いいたします。 ■体調がすぐれない場合は、決して無理をせず参加を控えていただき、保健所等にお問い合わせ頂き、その指示に従ってください。 ■参加される方はあくまで自己責任となりますので、感染予防に注意をお願いいたします。 ■感染対策エチケットの徹底にご協力をお願い致します。 ■尚、会場内で気分が悪くなった場合は、決して無理をせず速やかにスタッフに申し出て下さい。 ■先着で限定人数の入場となります。入場規制になる可能性がございますことをご了承ください。 ■ご来場頂く全てのお客様にご氏名とご連絡先メールアドレスを伺います。またご入場時に体温の検温、手指のアルコール消毒を行っ ていただきます。 ■店舗内では各所への手指消毒用設備の設置、また多くの方が触れる場所へは適時スタッフによる清掃を行って参ります。ご不便をお かけしますがご協力よろしくお願いいたします。 ■新型コロナウィルス感染および拡散防止の為、スタッフはマスクを着用の上、業務させていただきますので、予めご了承下さい。 最新の情報は厚生労働省のホームページをご参照ください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
2019/01/24
Beats In Spaceから Tim Sweeney主宰のBeats In Spaceから新たなミックスシリーズがスタート。日本のDJ/プロデューサーPowderの新作Mix CD『Powder In Space』と、そのMixに収録されているPowderの新曲が収録された12インチがリリース決定。 新曲『New Tribe』のMVも合わせて公開。AC部が手がけたこのビデオに登場するOLと”P”の文字が記された服を着ているDJ。会社員を辞め、DJとして生きていくかどうかの葛藤を表したものであるなら、これは過去のPowder自身であろうか。 今回の12インチはPowderの新曲2曲に加え、Daphneの『When You Love Someone』をリイシュー、さらにPowderとも親交が深いSamo DjとHidden Operatorによるコラボレーション曲を収録したコンピレーション的な作品となっている。 12インチとMix CDのプレオーダーはこちらから。2/15にリリース。 12inch Side A (33 RPM) A1. Powder – New Tribe (8:37) A2. Powder – Gift (5:47) Side B (33 RPM) B1. Daphne – When You Love Someone (Groove Instrumental) (7:59) B2. Samo DJ & The Hidden Operator – Захват Сзади Rox (5:07) CD / Digital 1. Samo DJ
2020/03/13
4月11日開催 骨太でうねりを上げるアシッドサウンドからヒプノティックなスタイルまで、ダークでミステリアスなモスクワのデュオ Odoptと、目が回るような海外ツアーを続ける日本を代表するDJ、Powderの〈Born Free〉繋がりの2組によるダブルヘッドライナー公演が開催。 モスクワを拠点に置くGrishaとIvanによるデュオOdopt、筋肉質な音の中にうねるアシッド・ベースを乗せた、イカれたジャック・トラック、不調和かつグルーヴィーさ、ムーディーなエレクトロ・アシッド・ハウスによるマッチング、よりダークなEBMハウスの様々なバリエーション。情報は少ないながらも彼らの作品は確実にヘッズの心を掴んできた。 Powderはオーディエンスの想像力を抽象化し、時間の空間を広げる。2015年にSamo DJのBorn Free Recordsからでデビュー作をリリースして以来、ESP Institute、Wichelroede、Beats In Space、Cocktail D’amoreなどのレーベルからリリースされた楽曲は多くのファンを獲得してきた。RAやDekmantleなどから発表されたミックス作品も高く評価され、最近ではThinner Grooveという自身のレーベルを立ち上げ、仲間のGrooveを共有するために楽曲をリリースしている。 – Odopt & Powder – DATE : 04/11 (SAT) OPEN : 23:00 DOOR : ¥3,600 / FB discount : ¥3,100 ADVANCED TICKET:¥2,750 https://jp.residentadvisor.net/events/1404614 =ROOM1= Odopt Powder and more 公演詳細:http://vent-tokyo.net/schedule/odopt-powder/
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