2019/11/21
9年の歴史に幕
個人的にも2010年代初期に影響を受けたロンドンのレーベル〈Blackest Ever Black〉が9年の歴史に幕を閉じた。
ファウンダーのKiran SandeはRAのインタビューでレーベル立ち上げの理由を「罪悪、嫉妬、報復」といったネガティブな感情だと答えている。このRAのインタビューの中での「Blackest Ever Blackはあるひとりの男がタバコを止めようとする、その葛藤と苦しみをサウンドに置き換えたようなもの」、「俺は挑発されていたいし、夢を見ていたいし、愚かに混乱させられた状態のままでありたい」などKiran Sandeの発言はとても魅力的かつ、まさにBEBのサウンドそのものである。
そんな〈Blackest Ever Black〉の功績として、まず何と言ってもRAIMEの作品が挙げられる。レーベルに辿ってきた道はRAIMEの辿ってきた道と言っても過言ではないほどに本レーベルにとって最重要アーティストである。密室感のあるダークネスとスリル、そしてルーツのジャングルをドローン化するような構築方法は、数年前のテクノシーンのアンビエント化現象にも通ずるものもあるかもしれない。
BEBが輩出した才能として、もう1人挙げられるのがCamella LoboによるプロジェクトTropic Of Cancerである。初期はSilent Servantや、Dva DamasのTaylor Burchもメンバーとして作品に参加していたTropic Of Cancerは絶望のネオサイケギターと遠くで聴こえるCamella Loboのボーカルが特徴のインダストリアル / ポストパンク。Silent Servantが手がけたアートワークも注目された。
Dominick Fernow仕事の一つであるVatican Shadowの作品はほとんどが自身のレーベル〈Hospital Productions〉からだが、数少ない他人のレーベルから出た作品としてBEBのカタログ8番に『Iraqi Praetorian Guard』があったりもする。NYのレジェンドStuart Argabright率いるIke Yardの世界的な再評価に繋がるRegisがリミックスした『Loss』の12インチをリリースしたのもBEB(フランスのDesireと共同リリース)である。その後、Ike Yardの日本盤が〈Melting Bot〉からリリース。(〈Melting Bot〉のエッジは現在のWWW〈Local World〉へと受け継がれている。)他にも、レーベル初期から中期にかけてレーベル重要アーティストといえば、Shampoo Boy、Raspberry Bulbs、Secret Boyfriendなど。中期から後期にかけてはF Ingersや、F IngersのメンバーCarla dal Fornoのソロ、さらにOssiaやJabuなどブリストルのコレクティブ〈Young Echo〉のアーティストも共振し、レーベルを支えた。
そして、立ち上げから9年経ちKiran Sandeは、エレクトロニックシーンで最もダークだと称されたレーベルに幕を閉じる。最後の作品としてコンピレーション『A short illness from which he never recovered』がリリース。Carla dal Forno、Brainmanなどが参加した全10曲。
購入はこちら。デジタルとレコードでリリース。
VA – “A short illness from which he never recovered”
1. Scythe – Flower, Drop
2. Lightning In A Twilight Hour – The Munich Post
3. Unchained – Gray D’Aboukir
4. Hypnotic Sleep – De dröigen Blaar
5. Jam Money – Dawn Swoop
6. Bridget Hayden – Solace
7. Brainman – Kilonovo
8. Carla dal Forno – Blue Morning
9. Ian Martin – Missing Realism
10. The Fulmars – Fish On
category:NEWS
tags:Blackest Ever Black
2019/06/23
7月19日リリース。 Zomby、CORIN、Jigga、Tzusing、Pan DaijingなどをリリースするUAEを拠点するレーベル〈Bedouin Records〉のサブレーベルとして、2015年にスタートした〈Bastakiya Tapes〉がその歴史に幕を閉じる。 Skruが、2008年から2011年の間に制作した13曲を収録した今作『Count Zero』が〈Bastakiya Tapes〉の最後の作品となる。初期Burialを思わせるサウンドを収録した『Count Zero』により、ゼロに帰った〈Bedouin Records〉の拡張の歴史は永遠に続く。 Pre-Orderはこちら。7月19日リリース。
2020/02/12
3月28日には来日 アイスランド・レイキャビクのプロデューサーでNina Kravizのレーベル〈трип〉からデビューし、2019年は〈!K7 Records〉から作品を発表したBjarkiが主宰するレーベル〈bbbbbb〉は強烈なアートワークにも引けを取らない変態偏屈マッドネスIDM/エレクトロ/ドリルンベースなどをリリースする注目の新興レーベル。 その〈bbbbbb〉から昨年リリースされたコンピ『HELLCAT VOL.1』から派生し、サブレーベル〈Hellcat Industries〉が誕生。『HELLCAT VOL.1』にも収録され、ダークで圧倒的な強さとスタイル注目されるDJ/プロデューサーVTSSをレーベルのA&Rに迎え、今回新たに2作品を発表した。 まずは3月6日に、VTSSとBjarkiのスプリットEP『Chanting from a Tiny Book』を、さらに4月6日にはコンピ『HELLCAT VOL.2』をリリースする。『HELLCAT VOL.2』には、フランスのプロデューサーでライブパフォーマーのCrystal Geometry、ワルシャワのナイトクラブJasna 1のレジデントであるSept、ドイツのデュオCNC (Contact Noise Crew)、〈bbbbbb〉でも作品をリリースするKuldaboliがKrokodillとして収録されている。 尚、VTSSは盟友SPFDJと共に、3月28日渋谷CONTACTで来日公演を予定している。 VTSS & Bjarki – “Chanting from a Tiny Book” A1 / 1. VTSS – Batman Church A2 / 2. VTSS – How to Win Big B1 / 3. Bjarki – Hellfire B2 / 4. Bjarki – Safety Savage Release Date: March 6th, 2020 V/A –
2019/04/23
Opal Tapesからは初の単独作。 Basic Houseとしても知られるStephen Bishopが主宰するUKのアンダーグラウンド最重要テクノレーベルOpal Tapesから初の日本人リリースとなった10 LabelのKatsunori Sawaが、〈Opal Tapes〉、〈The Stone Tapes〉、〈The Weevil Neighbourhood〉、3つのレーベルから作品を一挙に発表した。 Opal Tapesからリリースされた前回の作品はChafik Chennoufとのコラボ作品だったが、今回の『An Enlightenment Manual, Your Consciousness Of Truth』は単独作となる。また、Chafik ChennoufとはThe Stone Tapesからリリースされる『Fragments of Reference EP』で再びコラボレーションしている。 各作品の詳細は以下から。 『An Enlightenment Manual, Your Consciousness Of Truth』(Opal Tapes) 詳細はこちら。 『Fragments of Reference EP』(The Stone Tapes) 詳細はこちら。 『Premium Gardens』(The Weevil Neighbourhood) 詳細はこちら。 Katsunori Sawa -live schedule- 4/30 京都外 http://soto-kyoto.jp/event/190430/ 5/3 Contact http://www.contacttokyo.com/schedule/prowler-keihin-1st-ep-esoteric-communication-launch-party/
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