2019/07/24
「最高の夏休み」
Teen Runnings、約5年ぶりのニューアルバム『Hot Air』が本日リリース。合わせてリリースパーティーが9月15日に、Super VHSとpool$ideを迎えて幡ヶ谷Forestlimitにて開催することも発表された。早速、新作『Hot Air』について、金子尚太に話を聞いた。
– アルバムリリースおめでとうございます。気分はどうですか?
金子尚太(以下、金子) – なんとも言えないですね。音源のマスタリング完了後も特典のデザインやアー写撮影とPV撮影の編集など自分1人でやっているものがあり、まだ気が休まらない日々です。それと、とても変わったアルバムを作ってしまったので、リスナーの反応が全く予想できず、不安ですね。前回までのように一石を投じてやるぞ!みたいな気概もないですし、聴いてて気持ちいいって思ってもらえたらいいなあ、と感じるのみです。
– サウナクールミニの調子はどうですか?牛すじ売れてますか?
金子 – 味はご好評いただいていますが、売れているとは言えないですね。なのでレーベルのマーチャンダイズで何とかなればと日々頑張っています。今回のリリースもその宣伝になればいいかな、と。もう何のためにやっているか分からない状況ではありますね(笑)
– Young Agingsのリリースもありましたが、Teen Runningsとしては5年ぶりとなります。まさかアルバムがまた出るとは思いませんでした。収録曲は新曲ですか?
金子 – 2017年にカナダから帰国直後は本当に何もしていなかったのですが、翌年3月から店を始めて営業、運営や諸々のデザインや、デザインの依頼をもらったり、ライブをしたりと思ったより忙しかったのかもしれません。そろそろリリースしないとまた来年になってしまうと思って急いでまとめましたところもありますが、地元の神戸でお店をしていて、店内でもそうですが、外のイベントに顔を出したときに何をやっている人かというのを説明する必要があって・・・。説明してもリリースはかなり前で、過去にやっていただけと思われるのもなんなので、もっと広く知ってもらうために新しいものを出そうと思いました。曲はカナダに行く前後の2016〜2017年に作った曲が8曲、今年に入ってから作った曲が3曲です。カナダは寒いので基本的に部屋で曲作りをしていたのですが、数曲作ったところで限界がきたというか、やりたいことができてしまって完全に煮詰まりました。思うに、曲を作る人にとって大まかに「自分のルーツにある曲 / 今の気分の曲 / 作りたい曲 / 作れる曲」のレイヤーがあって、そこのバランスが難しくなりました。作りたい曲のアイデアだけが溜まって、それを完結させる才能や技術がなく、作りかけでボツにした曲がかなりありました。ただ春になってライブが決まって、こういう曲がやりたいな、という気持ちができてから作ることができた曲もあって・・・。今年に入って、リリースの気持ちも持ちつつですが、ライブが決まってからすぐに作れた曲もあり、やはり自分のモチベーションはライブによって生まれているのだな、と思いました。「Smart Disc Promotion」はボツになった下地を取り出してライブに向けて諦めずに新たな気持ちで作って上手くいったと思う曲ですね。そうやって作ることで、忘れかけていた「ライブでやりたい曲」という項目が出現したので、これからのライブのたびに「こういう曲を組み込んだらかっこいいかもな」というイメージを持つようにしたいと思いますね。また、今回はあまり苦労を感じさせずサラッと出した感じにしたいと思ったので、リッチな感じを抑えめということで、ボーカルはできるだけエフェクトを抑えて、ミックスもヤックさんにステムを投げてお任せしました。
– カナダ移住前の発表では帰国後は日本での活動は行わないともありましたが、レーベルやサイドプロジェクトも含め、かなり活発に動いてる印象です。
金子 – そうですね。自分の音楽やバンド活動に色々限界を感じていて、その時はTeen Runningsとしての音楽をやめるつもりで最後のチャンスとしてカナダに行きましたし、実はカナダ含む海外でのリリースも見据えていました。バンドも組みたかったんです。カナダでの初めてのライブで一緒になった女性のガレージバンドの人たちから「ツアーをするんだったら私たちがバンドをするからね」といってもらえたのですが、もうその頃には色々諦めかけていましたね。実はそのバンドにいたのが、すでに大きめに活動していたCommon Hollyや、最近サドルクリークとサインしたAda Leaが所属していて、長く居れば可能性は転がっていたのだと思いますが、働いてどうにか食いつなぐという強い気持ちは持てませんでした。結局日本に帰ることになった時に、知り合いの音楽家の方を頼って作曲家として何かやりたいな、と思ったのですが、こちらから連絡をしたお二方どちらからも良いお返事はいただけず、事務所などに送るようにロック調のデモ曲を男女分2曲作ったのですが、女性ボーカルを入れられないことに気づき諦めました。コンペのサイトもゴミのような案件が多く、すぐに見るのをやめました。話を戻しまして・・・、Teen Runningsのカナダでのライブは好評でしたし、やっぱりリリースしたいな、という気持ちを持ちつつ過ごしていたら、ライブのお誘いが入って「じゃあやろうか」と東京のメンバーとやりとりして、ほとんど友人の企画のライブでしたが、去年今年と精力的でしたね。カラオケセットも含めるとかなり多いですね。レーベルの活動は、サウナクールミニという、レーベル名を冠したお店を出した以上、動きを出したかったのと、本当にリリースしたいアーティストが見つかったので引き続き動けたらな、と。サイドプロジェクトのYoung Agingsは、息抜きや自分のできることを知るうえで今回のアルバムを作るために必要なプロセスだったと思います。
– カラオケセットについて聞かせてください。始めたきっかけや、バンドセットの違いなど。ステージ毎にあえて分けているのでしょうか?またお客さんの反応などどうでしょう。
金子 – カラオケセットは、聞こえは悪いですが単にトラックに合わせて僕が歌うソロのセットです。カナダで作った曲を披露するためのセットですね。バンドメンバーが東京なので、東京近郊でバンドとしての演奏をオファーいただいた場合は前作までの曲をバンドセットでやっていました。カナダではバンドを組めなかったので、iPhoneから流したトラックに合わせて歌うという手しかなく不安で、仲良くしていたArbutus Recordsのセバスチャンに「どうなのかな」と聞いたところ「うちのSean Nicholas Savageもギター1本持ったり持たなかったりでトラックに合わせて歌うだけのスタイルだし大丈夫だよ」と言われたので自信をもってライブに臨みました。カナダでの反応は本当によかったのですが、日本ではあまりないスタイルですし、僕の慣れないパフォーマンスからか好感触は得られなかったというか、日本では、安くないお金を払ってライブを観るため、お客さんの求めるハードルが高かったり、既に知っている音源をライブで聴く、アーティストというアイコンを目視する、という目的をもって観に来るような気がして、それだと全て新曲の聴き慣れないものを見慣れない人が披露している姿は理解されづらいだろうなと気づき、やはり音源は出さないとなという気持ちが強くなりましたね。今後はカラオケセット中心でフットワーク軽くやろうと思いますし、音源は少しずつアレンジしていきたいです。あと先ほど音源を聴いていて気づいたのですが、1曲ヤックさんに送る際にミュートしていて送り忘れたトラックがあり、自分で音源確認するときに気にならなかったのでほとんど問題ないレベルですが、ライブではそういった音も足したりアップデートして、音源とは少し違った感じにしようと思うので、ぜひ観ていただきたいなと思います。
– 90sメロコアを下地にしたインディロックという路線が少なからずあったと思うのですが、今作はかなり新機軸を感じます。
金子 – 1stは当時流行っていた60年代ビーチポップ、2ndは80〜90年代ときて、今回は90年代後半から00年代前半の、今聴くとダサい感じが僕の気分になりました。カナダに行く前からその辺のダサいものを聴いていましたね。
– 具体的に聴いていた曲など教えてください。
金子 – Lyte Funkie OnesやToy-Box、Steriogram、Smash Mouthはよく聴いていました。その他YouTubeで90年代のボーカルグループの曲を漁ったり・・・。それをそのままはできないので、そのダサい精神を楽曲に落とし込んだつもりです。
– ギター主体の曲が減ったのは理由がありますか?
金子 – いま誰もやっていないことをやろうというコンセプトというか気持ちがいつもあるので、今回はヒップホップのビートにミニマムな音、バンドで演奏するとしてギターは最小限でビートやパーカッションが飽和しているポップなもの、そしてBPMが遅いアルバムを作ろうと思いました。一番はじめに作った「Hair Wax 95」は典型で、かなりバンドサウンドを意識していますが、徐々にギターを使う頻度は減っていきましたね。初めはギターロックレコーディングがめんどくさかったりで。
– 「いま誰もやっていないことをやろうという」というコンセプトについて、詳しく解説してもらえますか。
金子 – 先にも述べた「作りたい曲」というのは「自分が好きな曲 / 自分が聴きたい曲」に分けられると思っていて、アーティストは「自分が聴きたい曲」を作るべきだと思っていて。「好きな曲」だと必然的に何かに似通ってしまうし、アートとしては二番煎じになるんです。ただ、「自分が聴きたい曲」というのは「好きな曲」に自分なりの要素を足したり引いたりしたものなんですよね。チャーハンという完成されたものに醤油かける人いるじゃないですか?ああいう感じですかね。違うか。とにかく、誰かが既にやっている、または流行っていることで評価されるのはアイコンとして確立されている人で、そこが弱い自分がやっても仕方がないので出来る限り新しいことに挑戦したいという気持ちは常に持っています。あと、今回のアルバム単位の音楽的なコンセプトとしては前の質問の通りなのですが、イメージ的なコンセプトの年代が自分が多感な時期と重なったので、「自分の最高の夏休み」という根底にあるものに加えて、初めてインターネットに触れたときのこと、夏休みの朝9時半からのアニメ(関西地区限定)やゲーム、特にスーパーマリオRPGやファイナルファンタジー、聖剣伝説レジェンドオブマナ、カプコンのV.Sシリーズ、ドリームキャストのシェンムーやパワーストーン2で遊んだこと、iMacやWiLLブランドが出てきたころのような、社会やプロダクトにまだ”遊び”があった頃のことなど、幸せだった頃の感覚を思い出しながら能天気なものを作ろうと思いました。また、感覚的なことですが、はじめにタイトルをざっと10曲分ほど決めて、そこから連想する音楽を頭の中で流したり、Tumblrの好きな画像を眺めたり、北野作品の夏をテーマにした映画を観たり思い出したりして音が降りてくるのを待ったりもしました。ただ、そこにBPM、ビート、少ない音数など縛りを多くすることで自分の首を絞めてしまって、それでスランプに陥りましたね。何を作っても僕の色は出ていると言われることもあるのですが、今回のアルバムで自分のスタイルをなんとなく分かってもらったうえで、次回からはできるだけ自然体でやりたいです。
– 今回アルバムの歌詞について、前作『Now』との違いはありますか?
金子 – 前作は、前々作の延長線上にある普通の恋の歌があったり旅の歌があったりの中に、僕の人生や世の中に対する不満やメッセージが紛れていたのに対し、今回は自分の失ったものや手に入れられないもの、諦めたもの、死生観について書いた歌詞が多いですね。歌詞を考えるのが下手なので常に自分の心の中のことや妄想を歌詞にしていますが、今回はネガティブな感情がかなり多くなったということでしょうか。
– 金子氏の死生観とはどういうものなのでしょうか?
金子 – 自分自身、初めの音源をリリースしたあとの20代半ばで体を壊してからは、季節の変わり目などに希死念慮がくることがあるので「たまたま生きている」という感覚ですが、よく考えたら生きている人みんな「たまたま生きている」、死と隣り合わせだと思うんです。いつ病気や事故、災害、他殺自殺で死ぬか分からない、この後かもしれない。なので、他の人との関わりは大切にしたいな、と思うんです。カナダのTOPSが初来日した時に「YOLO」(人生一度きり)という言葉を教えてもらってから、命や時間は有限なので、やりたいと思ったことはそのときにやった方がいいし、(相手には迷惑かもしれないけど)伝えるべきことはそのときに伝えた方がいい、喧嘩する時間は無駄だな、とか考えたりするようになって・・・。あと、Tumblrで名言・名文集みたいなのをフォローしていて、タイムラインで「いつか全て終わるということが、ずっとわたしを救ってきた」(灰かぶり少女のまま / 冬日さつき著)という言葉を見たときに、こういうことなんだと感じました。自分や自分に関わってくれている人がもれなく全員、徐々に死に向かっている。だからこそ出来ること、やりたいこと、輝くことがあると思うんです。10代のときに映画『バタフライエフェクト』を観て以来すごく影響を受けて思ったのが、人生でどんな選択をしても”今”の自分がいる、ということは人生の選択に不正解はない、ということなんですよね。結果は全て自分にあって、今があるならそれは正解だ、と。そういうことも後押しして、なんでも後悔なくやった方がいいなと思うようになりました。もちろん他人に迷惑をかけない範囲で。また他者の死に関して、去年の夏に我が家の猛犬(ヨークシャーテリア)が死んで・・・弱ってはいたのですが、その日の朝までワンワン吠えていたので現実味がなく、そのときに「どこか遠くに出かけたんだな」と考えようと思ったんです。でもどこか遠く、連絡のつかない場所で生きている方が悲しいな、と思って。その辺は「Super Relax」という曲で軽く触れています。Trainの「Drops of Jupiter」という曲はまた違った視点で他者の死を歌った良い曲なので聴いてみてください。
– オフィシャルサイトは魔法のiらんどを使用してますが、何かこだわりがあるのですか?また魔法のiらんどの良いところはありますか?
金子 – 特にないです。誰もやっていないことをやろうと思ったら行き着きました。おそらく昔のバンドは結構使ってたと思うのですが、僕が始めた時はもうなかったので逆に新しいかな、と。魔法のiらんどの良いところは独自タグがあるところです。
– 今後の展望について聞かせてください。
金子 – 今回のアルバムを作るのにとても苦労したので、次は頭に出たものをパッと作りたいです。ものすごくこだわった1曲よりも、さらっと作った5曲の方が今の時代は価値があると思うので、配信だけでもどんどん出したい気持ちはあります。日本語のプロジェクトなども考えていましたが、今はリリース関係で忙しいので、リリース後に落ち着いたらゆっくりと考えたいと思います。
Teen Runnings “Hot Air” Release Party
場所 幡ヶ谷forestlimit
日時 9月15日(日)
価格 前売り:2300円(ドリンク代込み)当日:2800円(ドリンク込み)
出演者 Teen Runnings / Super VHS / pool$ide
予約フォームはこちら。
category:FEATURE
tags:Teen Runnings
2020/08/17
8月27日リリース Teen Runningsが、8月27日に新作EP『Surprisingly Ordinary』を配信リリースする。 前作となるアルバム『Hot Air』から1年ぶりの新作は、難しく考えずに出たものをそのまま使うことをモットーに作られた4曲で構成される。「Want You Bad」、「Sometime」は原点にあるギターポップ、「Sunglasses」は前作の要素を落とし込んだレゲエソング、「Never Be The Same」は初のピアノバラード曲となっており、ドラムアレンジと演奏をElen Never Sleepsが担当している。 4曲入りEPという構成ながらこれまでのTeen Runningsの変遷や特徴が凝縮され、その枯渇することがない才能を改めて確認できる。皆が彼に期待している瑞々しいメロディも堪能できるだろう。 Teen Runnings – “Surprisingly Ordinary” EP Release date : August 27 2020 Tracklist 1. Want You Bad 2. Sunglasses 3. Sometime 4. Never Be The Same
2019/05/22
7月24日、Sauna Coolからリリース。 金子尚太によるプロジェクトTeen Runnings、5年ぶりのニューアルバム『Hot Air』が自身の主宰するレーベル〈Sauna Cool〉からリリースされる。 アートワークを永井博が担当したことでも話題になった前作『Now』から5年、最近ではサイドプロジェクトYoung Agingsとしてのリリース、〈Sauna Cool〉のレーベル運営、謎ショップ〈サウナクールミニ〉の店主など、様々な顔を持つ金子のメインプロジェクトTeen Runnings待望の新作は、「より軽く、聴きやすい」音楽を目指した、とのこと。カナダ滞在中、そして2019年に入ってからの5年間で作られた、90sから00sの雰囲気を携えたミニマムな楽曲で構成。ミックスは前回に引き続きHARVARDの植田康文、ジャケットアートワークにはオーストラリア人クリエイターANDYPANTS、ジャケット、ブックレットデザインはYYOKKE(WOOMAN)が担当している。 先行で収録曲「Hair Wax 95」が公開。アルバム『Hot Air』は、7月24日リリース。 Teen Runnings – “Hot Air” 01. Hair Wax 95 02. New Power 03. Eagles 04. Dream Life 05. Smart Disc Promotion 06. Feeling Happy 07. Super Relax 08. My Car 09. Baby G 10. Seatown Punk 11. Plaza
2019/12/19
当事者による鼎談 話題の中心になるのは主にUSインディと共鳴 / 同期していた2011年から2012年の日本のインディシーンについて。それ以降から現在に到るまでの彼らが見た光も闇も含めた真実。 2011年から2012年、そのたった2年の間で日本と世界では何が起きていたのだろうか。現在、海外のインディシーンで活躍する中堅以降のバンドには、この時期の前後にスタートしたバンドが多いほどに局地的にシーンは膨れ上がっていた。そして、それらの点在したシーンを繋ぎ合わせ、潮流の形成に大きな役割を果たしていたのは世界に無数にあった個人のブログだった。個人ブログが大きな力を持ち、彼らはプレスリリースの文章をコピペするのではなく、自分達が感じた曲への想いや感想をただひたすらに毎日書いていた。 2011年の日本に目を向ける。東京にはUSの〈Captured Tracks〉からリリースを果たしたJesse Ruinsを含む〈Cuz Me Pain〉というレーベル / コレクティブ、京都にはUKの〈Double Denim〉からリリースし、日本のメインストリームともリンクしかねないほどに影響力を持ち続けたHotel Mexicoというバンドが存在していた。今回、登場するTeen Runningsの金子、Super VHSの入岡、Elen Never Sleepsの梶原は、急速に拡大した当時のムーブメントの要であり、シーンのリアルな当事者である。当事者とは言え、彼らは現行のアーティスト。それぞれの立ち位置はあれから少しづつ変化しながらも、今も自分達の作品を生み出し続けている。 いつの時代もそうなのかもしれないが、新しく起きている言葉に出来ないムードや現場の熱と真実は、メディアの記事には繋がりにくい。あの頃の日本は特にそうだった。当時Jesse Ruinsというプロジェクトで活動をし、当事者の1人であった自分は巡り巡って今このメディアをやっている。だから、この場を使って、彼らの言葉を通して、あの特別な時代のことを記録することは必要だと思った。 – 2010年、前夜の段階から始めますか。 Elen Never Sleeps(以下、梶原) – やっぱりメキシコ(Hotel Mexico)の存在がでかいのかな。2010年8月にもうPitchfork載ってるわけだから。 Pitchfork link : https://pitchfork.com/news/11527-its-twinkle/ Teen Runnings(以下、金子) – 結構、衝撃受けましたね。やっぱその後に色んなバンド見たんですけど、やっぱりあれが衝撃やったなって。 Super VHS(以下、入岡) – Friends(改名前のTeen Runnings)はサンクラに上げだしてからカセット出すまでは、どんぐらいだった? 金子 – 結構早かったですね。サンクラ上げたのは(2010年の)7月、8月とか。サンクラってか、MySpaceか。それもなんか僕結構全然インディーとか知らなかったんですけど、Crocodilesの人がやってる〈ZOO MUSIC〉にデモを送った時に、「すごい良いと思うからMySpaceとかサウンドクラウドとか使ったら?」みたいなメールが返ってきて。当時は、新しいもの見つけるブログがめちゃくちゃあったから、そういうブログに拾ってもらってみたいな感じはありましたね。 梶原 – ブランドン(Crocodiles)にアドバイスもらったって話、してたね。それが2010年なんだ。やばい早い。 金子 – 一瞬〈Art Fag〉っていうレーベルから出せそうなったんですけど。そのレーベルの人と話したけど「言葉の壁があるから無理」って言われて。「うわっ」て思った。出したかったんですけど、Best Coastが7インチ出してたし。Heavy Hawaiiとか。 梶原 – その頃は結構勢いあったね。7インチいっぱい出してる印象は確かにある。 金子 – 今はもう全然動いてない。(当時は)いつ僕のこと発表されるのかって、めっちゃホームページ見てたけど、全然発表されへんし、もういいやと思って。 – Super VHSはどういうスタートだったの? 入岡 – 僕は2010年の2月に仕事辞めて、ちょっとしてバンド始めるんですけど、最終的に女の子が歌う5人組のバンドになって、バンド名が”夢の夢眠谷”っていうんですけど。結構いいバンドだったんです。手応えはかなりあったんですけど、やってくうちにメキシコとかFriendsとか出てきて。それこそカセットも、その日にJET SETに買いにいきましたし。〈Cuz Me Pain〉の存在とか、そういうシーンの存在を知って。あと、Soundcloudっていうものの存在も。そういう人たちを意識しながらも、やってるジャンルが当時かけ離れてて。だらだら続けてたんですけど、ちょっといろいろあってバンド解散することになってしまって。で、せっかくだからなんかやろうって。海外のインディー、Best CoastとかあとYouth Lagoonとか結構好きで。あといわゆるチルウェーブがその時は自分んなかで熱かったんで、そういうの意識したものを作っていて。で、始めたのがスーVですね。スーV名義で活動し始めたのは、多分2011年の7月とか。カセット出すまでは結構なスピード感でやってました。ほんとにものすごいペースで曲を作って出してました。 –
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