2019/04/02
RBMF 2019で再来日も決定。
モスクワをベースに活動しているケイト・シロノソヴァによるソロ・プロジェクトKate NV。2016年にOrange Milk Recordsからリリースしたシンセポップ名作『BINASU』(DJWWWW、CVNと同時リリースのカセット、その後Mind Recordsがヴァイナル化)、2018年にRVNG Intl.から『для FOR』をリリース。昨年7月にはジャパンツアーを果たした彼女の最新スタジオ・ライブ映像が公開。
また、レッドブルが手がける都市型音楽フェスティバル「RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2019」の最終日を飾る花紅柳緑@浜離宮恩賜庭園に、出演が決定している。
花紅柳緑@浜離宮恩賜庭園
日程:2019年4月20日
会場:浜離宮恩賜庭園(東京都中央区浜離宮庭園1-1)
開場:19時00分 / 18歳以上
チケット料金:2000 JPY
出演:
INOYAMALAND
YOSI HORIKAWA
HAIOKA
Kate NV
nami sato
Loradeniz
category:NEWS
tags:Kate NV / Orange Milk Records / Plancha / Red Bull / RVNG Intl.
2018/07/09
2016年の『Binasu』以来2年ぶりとなる新作『для FOR』をRVNG Intl.よりリリース、さらにジャパンツアーが決定。 Photo by vitalik melnikov Kate NVはロシアのモスクワを拠点にする音楽家Kate Shilonosova(ケイト・シロノソヴァ)のソロプロジェクトである。元々はSonic YouthやDinosaur Jr.などに影響を受けたオルタナティヴ・ロック〜ポストパンク・バンド、Glintshakeのヴォーカルとして活動しており、また同時に20世紀のクラシカルなミュージシャン達とCornelius Cardewのアイデアとアヴァンギャルドなコンポーズを再構築するMoscow Scratch Orchestraのメンバーでもある。それらのバンド活動と並行してソロで行なっていたのがNV(後にKate NVと改名)になる、NVのファーストアルバム『BINASU』がOrange Milkからカセットでリリースされたのが2016年の2月である。(後にMind Recordsがレコードバージョンを、日本ではPlanchaがCDバージョンをリリース)Orange Milkから『BINASU』と同時リリースされたのがDJWWWWの『Arigato』とCVNの『Matters』だという事を知ってる人はいるだろうか。日本産ポップスに強く影響を受けた『BINASU』が日本人アーティストであるDJWWWW、CVNと同時にリリースされたのはOrange Milkの粋な計らいだったのだろうか。カセットコレクターも主婦もお爺さんも赤ちゃんも全員巻き込むポップネスを持った『BINASU』は世界中のメディアや各所で絶賛され、その才能はエクスペリメンタル・ミュージック・シーンの最先鋭レーベルであるブルックリンのRVNG Intl.の目にとまり、契約を果たし、同レーベルからセカンド・アルバム『для FOR』がリリースされた。絶好のタイミングでジャパンツアーが行われるKate NVにメールインタビューを行なった。 – Kate NVというプロジェクトはどのように始まったのですか? Kate NV – 実はジョークとして始まったんです。私が1人で音楽を作ろうとしたのはそれが初めてのことで、その時は90年代のポップミュージックにとても夢中になっていて。当時のシーンは非常に暗いものだと思っていたから、キャッチーで楽しくて、同時にすごく心地よい音楽を作ろうと思ったんです。NVという名前は、ポップのプロジェクトを「嫉妬 (エンヴィー)」と名付けるのは面白いと思ってつけました。でも時々後悔してしまう。馬鹿げたことだったかもって。 – モスクワのシーンについて教えてください。 Kate NV – モスクワの状況はたぶん、他のどの大都市とも全然違います。モスクワにはビートメイカーや、テクノやハウスのプロデューサー、80年代や90年代のヴァイブスを持つポップミュージシャン、実験音楽のある力強い電子音楽のシーンがあるし、ポストパンク、ドリームポップ、アヴァンギャルドポップ (実験的と呼ばせてください) や、ソビエトや初期のポスト・ソビエトの美学を引用する多くのバンドがいる力強いギターシーンも存在してる。たくさん実験をして、他のジャンルの若いミュージシャンとコラボレーションして、予想外で面白いプロジェクトに変えている現代クラシックの作曲家がいる規模が大きいシーンもある。あとは、より演劇的で比喩的な、奇妙な音楽のプロジェクトも存在してるし、誰もが馬鹿げた事を始める、私はそんなモスクワが本当に好き。 Photo by vitalik melnikov – モスクワという街からの影響はありますか? Kate NV – 私は心の底からモスクワを愛してます。特に夏のモスクワを。自分が暮らしている地域、自分のアパートメント、部屋、窓からの眺めをすっごく愛してるの。ここが故郷なんだと感じるしね。新譜は間違いなくこの都市からインスピレーションを得てます。でも、たくさんの人から、私の音楽を通して描かれるようにはモスクワのことを思い浮かべたことがないと言われたわ。みんなの思ってるモスクワって暗くて、ほこりっぽくて、憂鬱じゃないかしら? 確かに、時々モスクワは暗くて、間違いなくほこりっぽいし、時々憂鬱かも。でもモスクワには別の側面もあるのよ。本当はいつもエネルギーに満ちていて、刺激的だし、ここでは生き生きできると感じる。もしモスクワに対して心を開けば、モスクワも心を開いてくれると思うわ。 – ニューアルバムの『для FOR』について聞かせてください。RVNGからのリリースはどのように決まったのですか? Kate NV – RVNGはチャリティプロジェクトのために何曲かを作ることを私にオファーしてきたけど、最終的にそれが単独のフルレングスアルバムになったの。こんなに早くこの類のアルバムを作る計画はしてなくて (実は他の2つの作品を作り終えようとしているところだったの) 、なんていうか、偶然にこうなってしまったっていう感じ。このアルバムは「恋に落ちる」ようなものだと思う。恋は予想もしていない時に生まれるから。 Photo by vitalik melnikov – 『для FOR』を制作するにあたってどのような影響を受けましたか? Kate NV – 吉村弘の作品からかなりインスピレーションを受けました。いつも彼みたいな音楽の旅のような作品を作りたいと思っていて。曲名も『GREEN』という彼のアルバムからインスピレーションを得ているんです。彼のアルバムの曲名には2つの「e」があって、それは曲と曲の間にある特別な繋がりようなものかなと思ったの。で、私はロシア語と英語の両方で同じ意味を持つ3文字の単語を見つけようと思った。私にとっては、それが各曲の間の視覚的かつ音声的な重要な繋がりになったと思うし、音的な繋がりも、括弧の外側にあるみたいに曲の外側にあるということが素晴らしいと思う。 –
2020/03/19
6月12日リリース 一昨年の単独来日ツアー、昨年浜離宮恩賜庭園で開催された花紅柳緑(RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2019)への出演も話題となった、ロシア・モスクワのKate NVがNYの最先鋭レーベル〈RVNG Intnl.〉から2作目となるニューアルバム『Room for the Moon』のリリースが6月12日に決定。 ファーストシングルとして来日公演でも披露していた収録曲「Sayonara」のMVが公開。自身のルーツである70年代〜80年代のロシアと日本のポップスからの影響をベースに、〈Orange Milk〉からリリースした『Binasu』のポップ・センスと、RVNGからリリースした『для FOR』で見せたアンビエント / ミニマル / ニューエイジが融合した新たな傑作。表現者が向き合う孤独は常に美しくもある。人生で最も孤独な時期に、このレコードは記録され、その美しさはこれまで以上に奥行きがあり、洗練された作品となる。 Kate NV – “Room for the Moon” Label : PLANCHA / RVNG Intl. Format: CD / Digital ※解説・歌詞・対訳付き予定 ※ボーナス・トラック1曲収録 Release Date : 2020.06.12 Price(CD) : 2,000 yen + 税(予定) Pre-order : https://katenv.bandcamp.com/album/room-for-the-moon Tracklist 01. Not Not Not 02. Du Na 03. Sayonara (Full Moon Version) 04. Ça Commence Par 05. Marafon 15 06.
2019/02/28
『31』-自然を脳と目と鼻と耳と皮膚で感じる瞬間の音楽- どこで区切るか難しいところだが、2011年〜2012年頃は日本のインディーが、ザワザワと、ゴボゴボと、し始めた頃である。例えば、Jesse Ruinsが当時アメリカのインディシーンを牽引していたCaptured Tracks(Mac DeMarco、Beach Fossils、DIIVなどが所属していた)と契約し、コンピレーション『Ç86』(möscow çlub、Super VHS、Elen Never Sleepsなど収録)がリリースされた。他にもたくさんの日本のアーティストがインディーブログ文化と共に発見される。ちなみに彼らを発見したのは主に海外のブロガー/リスナーだった。『Ç86』にOccult You名義で参加していたTaquwamiは、当時の日本のシーンの中でも一つも二つも頭が飛び抜けた完成度の高いサウンドで、注目のプロデューサーだった。Seihoとのスプリットはリリースされなかったが、2015年には『Moyas』もリリースされたし、環ROYとOBKR(小袋成彬)とコラボ曲『ゆめのあと』など、アウトプットはマイペースに行われていた。しかし、昨年10月にリリースされた例の31曲は、Taquwamiのキャリア史上最もアクティブな動きだったはず。以前から親交があったRyan Hemsworthのレーベル<Secret Songs>から毎日1曲づつ、 全31曲をリリースするという前代未聞の企画を敢行したのだ。そして、その31曲に未発表2曲を加えたCDの発売が決定。さらに、2年ぶりのライブとなるリリースパーティーも控えるTaquwamiにメールインタビューを行った。 – 今更ですが、Taquwamiという名前の由来を教えてください。 Taquwami – 名前のようでなんだかよくわからない1つの単語にしたくて、本名を捩ってこの名前にしました。 – 以前、いくつか別名義あったと思うのですが、現状どうなってますか? Taquwami – 最近はあまりやってないですね。そもそも別名義で曲を作り始めた理由っていうのが、Taquwamiとしての方向性を見定めるためにやっていたところが大きいので、最近はその必要がなくなってきて必然的に活動していないみたいな感じです。1人で音楽を作り始めた時は創作意欲も爆発していて、やりたい雰囲気の音楽もいっぱいあって、自分がどういう音楽を主に作りたいのか自分でもわからなかったんです。そのモヤモヤが最近は解消されてきたので、別名義の活動をやらなくて済むようになった、っていうのが正しい言い方かもしれません。 – どんな生活サイクルを送っていますか? Taquwami – 平日は会社員として働いています。調子が良い時は出勤前、退勤後に制作する時があります。土日は大体家にいて音楽を聴くか、制作するか、寝たりしています。 – 日常のルーチンの中に制作がある感じですか? Taquwami – ルーチンではないですね。制作のモチベーションに波があるので数ヶ月そもそもDAWすら開かないということがちょくちょくあります。ルーチンにできたらいいんですけどね…。ですので、先ほどの生活サイクルはモチベーションがある時の生活サイクルって感じですかね。 – 普段はどういう音楽を聴いていますか? Taquwami – 新しい音楽はメインストリーム・インディー問わず、国内・国外問わず常に聴いています。Ryanに教えてもらったAlicks – 『1997』は去年リリースされた作品の中ではよく聴きました。去年リリースじゃないですがSufjan Stevens – 『Carrie & Lowell』はリリース以降聴いてなかったのですが、去年たまたま聴く機会があって衝撃を受けました。人生のベスト3に食い込むくらいのアルバムにこの歳になって出会うとは思っていませんでした…『Illinois』は前から好きだったのですがそれを超えちゃいました。新しいもの以外でしょっちゅう聴くのはMidwest Emo全般とWeezer – 『Blue Album』です。あとはミックスを聴くことが多いです。2018年印象に残った3曲をAVYSSさんの記事に載せていただいているのでよかったらチェックしてみてください。 – Midwest Emoは、Taquwamiくんより少し上の世代がジャストじゃないですか?例えばどんなバンドが好きですか? Taquwami – そうなんですか?Midwest Emoってワード自体は最近知ったので世代とかはちょっとわからないですが、18,19くらいの時にスタートトゥデイでエモ系のCDを買い漁っていた時期があって、その頃の思い出込みで聴いてる感じです。もちろんAmerican Footballは好きですが、その他はYouTubeとかでMidwest Emoで検索してプレイリストを聴いているだけなので、特定のこのバンドが好きって感じではないかもです。 – Twitterでも仰ってましたが、改めて今回のプロジェクトを行う経緯を教えてください。 Taquwami – Secret SongsのオーナーであるRyan Hemsworthからの誘いが始まりです。これまでEP等のリリースのオファーを受けて製作はしていたのですが、大体途中で頓挫してしまっていて。何か作り始めると7割まではめちゃくちゃ調子良く短期間で完成するのですが、それ以降が全く進まないんですよね。ゼロから何かを作るのは得意だけど、洗練するのが苦手なタイプなんでしょうか…。あとは自分の中での完成形のハードルが高すぎるのが主な要因だと思います。そういった理由からまとまった作品が中々完成されられなくて、でもシングルだと自分のやりたい音楽を詰め込めないとも思っていて、どっちつかずなフワフワ状態で悩んでいたんです。そんな時にRyanから今回のお声がけがあって、それだったらある種シングルの詰め合わせみたいなものだからトータル像はなくていいし、色んな音も詰め込めるしで行けるかな?と思い快諾しました。 – それぞれシングルとしての強度もありつつ、組曲やストーリー性のような連なりも見えてきます。今回のプロジェクトの制作プロセスはどのような感じだったんですか? Taquwami – 先の質問と矛盾しますが、結果的にはこれまで作って寝かせていた複数のEPを基盤として作った形になりました。実際にこのプロジェクトについて色々イメージを膨らませ始めたら、やっぱり連なりがあった方がいいなと思って。シングルの詰め合わせみたいな形よりもトータル像を意識して作業しました。具体的な構成としては、EPとしての塊が6つあって、それらを繋ぐように小話を接着剤的に入れ込んでいった形です。それぞれの曲の作った時期はバラバラですが、やはり全部7割程度の完成度だったので、今回のプロジェクトの提案を受けて全部完成に持って行った感じです。日常生活の中で一瞬意識が日常から離れる瞬間てあるじゃないですか?自分の気持ちとか、綺麗な景色とか、自然の匂いとか、突然の風とか、色んな要素が絡まって「あら?」ってなる瞬間。その瞬間をうまく表現できたのではないかと思っているので、かなり長いですが通して聴いて欲しいと思っています。 – 四季や自然という要素はTaquwamiくんにとって重要なキーワードなのですか? Taquwami – 四季はあまり意識したことがないですが、自然はかなり重要視していると思います。自然を脳と目と鼻と耳と皮膚で感じた瞬間を音にするっていうのはここ数年ずっとテーマになっています。 – 昔からメロディが美しいと思っていました。メロディはどのように書きますか?降ってきますか?それとも自分なりのソースがあるんですか? Taquwami – ありがとうございます。それで言うと降ってくる方になるんでしょうか。まずメロディを書く前に泣けるコード進行を練ります。次にその泣けるコード進行をループして、延々とメロディが出てくるまで鍵盤かギターを引き続けて考えるパターンがほとんどです。適当に弾き続けていると、「次この音に行ったら気持ちいいだろうな」っていうポイントが必ず出てくるので、それを積み重ねていく形です。Jesse Ruinsのリミックスはまさにこの方法で鍵盤を弾き続けて考えました。あのメロディは原曲に引っ張られた感じと自分の感じがうまく合わさった感じで非常に気に入っています。この方法以外では二度寝、昼寝のまどろみ時が一番アイデアの出てくるタイミングなので、その時にそらで考えたりもします。 – 31曲の中で気に入ってる曲はありますか? 『White Smoke,
受け手の自由に寄り添う作品
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