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ひかりのラウンジ、オーナー神谷大介|インタビュー

愛知県は岡崎市にあるイベントスペース、ひかりのラウンジ。未だ謎に包まれた電子音楽シーンの新たな聖地の過去と今をオーナー神谷氏と共に振り返る。

 

 

現在日本のエレクトロニック、エクスペリメンタルの地下シーンにおいて全国から注目を浴びているイベントスペースが、東京でも大阪でもなく、名古屋でもなく、岡崎という街に存在する。そのハコの名前は「ひかりのラウンジ」。他の地方中核都市と同じように夜になると周りのほとんどのお店は早い時間に閉店し、人通りも少なくなる中で、ひかりのラウンジの扉の向かうからはエッジの効いた電子音が漏れている。静まり返った街と漏れるドープな音のギャップが生み出す神秘的な風景はこの店に来ないと味わえない。去年行われたスペインのレーベルangoisseのジャパンショーケースツアー、今年に入ってからはJesse Osborne-LanthierPtwiggsCÉCIの合同来日公演、Orange Milkジャパンショーケースツアーなど海外アーティストの公演も増えており、シーンにおいて存在感をさらに増す一方で、愛知県外の人が気軽に足を運べる場所ではないために未だ桃源郷的イメージがあるのも事実である。今回はオーナーの神谷大介氏に話を聞き、ひかりのラウンジの歴史や現状のリアルな話を聞いてみた。

 

 

– ひかりのラウンジを前のオーナーから引き継いだって話をちらっと聞いたんですが、具体的に経緯を聞かせてください。

 

神谷 – 2012年の11月にここに面接に来たんです。当時、隣のラグスローとひかりのラウンジと上のクワイエットヴィレッジと豊田にドープラウンジってのもあって、1ヶ月ぐらいドープラウンジで働いてたんです。

 

– その4つの店は同じ系列なんですか?

 

神谷 – そうなんです。前のオーナーがやってまして。で、正月にラグスローの人がいなくなって、それで応援でこっちに入るようになりまして。そっからどんどん人が減っていって、、僕入れて3人ぐらいしか残ってない状態になっちゃって。多い時は7人ぐらいいたんですけど、だんだん店がまわらなくなってきたりして、それで2013年の春にある事情で経営を見直す会議があったんですね。僕は元々、ここで修行して独立するために入ったので、まぁこの店なくすんだったらお客さんもいるし、設備全部整っているし、自分のやりたいことだったんで、じゃあ買い取りますって感じで前のオーナーから店を買い取ったんです。で、新たにスタートしたのが2013年の6月ですね。

 

– そんなことがあったんですか。最初から独立したい気持ちはあったんですね。

 

神谷 – 固定収入を得つつ、でその利益を自分のやりたいことに使って、遊べて、っていうサイクルができたら理想かなと。

 

– 今、別の仕事は何かやってるんですか?

 

神谷 – 今はやってないです。ひかりのラウンジだけですね。お金ないときは派遣とかいきますけど。まぁこっちに集中しようかなと。当初は、ひかりのラウンジとラグスローを合わせて買い取ったんです。で、基本僕カフェ(ラグスロー)に入って調理してて、イベントあるときはこっち入ってみたいな感じでした。

 

– 2013年からってことは思ったより歴史ありますね。もっと最近始まったかと思ってました。

 

神谷 – 前のオーナー時代からだと正式に始まったのは2008年か2009年くらいからだったかな。GrassrootsのHikaruさんと仲良いような感じでした。岡崎にしては名のある人たちがすごい来てるお店だったんで、それで興味持って修行しようかなと。

 

– で、今に至ると。ここの利用者って基本は音楽イベントですか?

 

神谷 – そうですね、たまに仮装大会とか。

 

– 仮装大会?

 

神谷 – ハロウィンとか。で、ここで会社のイベントやるんですよ。アイシンとか一流企業のイベントとか、美容師のイベントとか、ですね。

 

 

– どのぐらいのペースでイベントがあるんですか?

 

神谷 – 週に最低1回はやってるんですけど、平均1.5とか、そんなもんですね。

 

– 前にEDMのイベントだと100人もお客さんが入るって聞いたんですが。

 

神谷 – 入りますね。NEXUSというパーティーなんですが、最高132人ぐらいがマックスですね。

 

– そのお客さんってみんな岡崎の人なんでしょうか?

 

神谷 – どうですかね〜。でも主宰の人は岡崎の人で、出演しているDJも三河の人(岡崎周辺の豊田、刈谷、安城など)がほとんどなので、そのあたりの人たちがほとんどなのかなと思います。 あのイベントはすごいですよ‥。

 

 

– いずれ、神谷さんが作ってるような音楽が主体にしたいと思ってたりするんですか?

 

神谷 – 偏りたくはないなというか、自分の好きなものは自分でやれば良いわけで、むしろ自分の知らない世界や音楽を知りたいというか、EDMはEDMのイベントで面白いところはあるし、サイケのイベントとか、パーティーによってそれぞれ面白い部分や学ぶべき点は多々あるんで、ありがたい環境だと思いますし、まぁ来るもの拒まずというか、そんな感じでやっていきたいですね。

 

– ひかりのラウンジの週1.5ほどのイベントだけで生活やっていけるんですか?

 

神谷 – いや、できないですね。

 

– え。

 

神谷 – 全然できないですよ。

 

– どうやってそれをカバーされてるんですか?

 

神谷 – いや、もう節約して、お金なくなったら派遣っていう。機材売ったり。(笑)

 

– お子さんいるじゃないですか。何才でしたっけ?

 

神谷 – 10才です。

 

– 音楽聴くんですか?

 

神谷 – めちゃくちゃ好きですよ。耳コピも俺なんかより遥かに正確にしますし。キーボード習ってるんですよ。

 

– 神谷さんの音楽を聴かせたことはあるんですか?

 

神谷 – ありますよ。0点って言ってます(笑)アドバイスとして、高い音と低い音をバランスよく入れるといいよって言われました。

 

– めっちゃプロいじゃないですか。(笑)

 

神谷 – あともうちょっとリズムのとりやすい音楽を作った方がいいよって。(笑)

 

– めちゃめちゃ的確。

 

神谷 – 才能ありますね。

 

 

– 今日もイベントありますけど、岡崎って県外の人から見たときに名古屋と同じ括りにされがちじゃないですか。でも別々の市だし、少し距離も離れてますよね。実際、シーンやお客さんを共有してる感じはあるんですか?

 

神谷 – 名古屋の人も来ますけど、やっぱりハードルは高いですよね。駅から15分ぐらい歩くとか。街に他に寄るような場所があればいいですけど、単純にここ目当てに来てくれる人しかいないんで、通りがかりのお客さんとかそういうのは全くいないし、まぁでもそれはどこでも一緒だと思うんですけどね。

 

– ここ以外に岡崎にクラブやライブハウスはあるんですか?

 

神谷 – CAM HALLっていう駅から遠いんですけど、しっかりしたライブハウスがありますね。クワイエットヴィレッジもたまにイベントやったりしてますよ。

 

– 岡崎に強い想いがあってやってたりするんですか?

 

神谷 – いや、ありますよ。小学校5年の3学期までこの辺で育ったし、、うん、でも、暗い話になっちゃいますけど、元々のオーナーと金銭トラブルも多々あったりして。それなりにカリスマ性というか慕ってる人も多いと思うんですが、嫉妬深いところもあって、気を遣って今まで使ってくれてた人たちが来づらい、出づらい状況にはなってるのは確かですね。 音楽やってて先輩も後輩もないだろって思うんですけどね。そういうこともありましたね。声はかけたりするんですけど、なかなか難しかったり、まぁ来てくれる人も中にはいるんですけどね。そういう人は大切にしたいです。

 

 

– 今の話になるんですけど、日本の電子音楽のシーンにおいてここ数年は全国から謎に注目されてる感はありますよね。率直にどう感じてますか?

 

神谷 – ほんと不思議ですよね。Twitterとか見てても、「ひかりのラウンジ良かった」とか「気になる」とかそういうの見てて、ありがたさと同時に恐縮ですというか。イベントを主催しだしたのもここ最近で、まだまだハイハイ段階というか、遠方から来てくれた演者の方やお客さんに、もっと喜んでもらえるためには、全然だと思っています。 ただ、そうやって言ってもらえて、なんていうか単純に嬉しいしありがたいし、何より励みになってます。

 

– 今後の展開はどう考えてますか?

 

神谷 – 店としてここ一年、本当に自分のやりたいことをやってきたんですけど、やっぱりまだまだというか、そもそも僕自身もあまり現場に行ったことなかったタイプの人間ですし、尊敬するカトーさん(K/A/T/O MASSACRE, NOVO!)やスーさん(ナイスショップスー)その他にも沢山いますが、彼らをお手本に、色々見ていきながらやっていかないとなと思ってます。あとはやはり地元の人が重要だなというのは改めて認識したので、もっと地元の方々にきてもらえるように戦略的にイベント、関係性を構築していくというのが今年の課題ですね。

 

 

<今週末のイベント>

 

Orange Milk Japan Showcase Tour 2018

 

6/8 fri 23:00 – at hikarinolounge Okazaki

OMツアー

 

LIVE & DJ: Seth Graham, Nico Niquo, Giant Claw, CVN, 食品まつりa.k.a foodman, fri珍, nutsman, pootee, woopheadclrms, Yusuke uchida

 

ADV ¥2,500* | DOOR ¥3,000

 

*前売特典 Orange Milk Japan Showcase Tour 2018 A2 Poster
VENUE / INFO https://hikarinolounge.tumblr.com

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