2025/05/28
先行シングル「Velvet Myst (feat. Heith)」公開
モントリオールのレーベル〈Éditions Appærent〉を共同主宰するJesse Osborne-LanthierとAsaël Richard-Robitailleによるユニット、Orchestrollがブルックリンのレーベル〈29 Speedway〉より15曲入のアルバム『Corrosiv』を5月30日にリリース。
先行シングルとして、Orchestrollの長年のコラボレーターであるミラノ在住アーティスト・Heith(PAN、Haunter Records)を迎えた「Velvet Myst (feat. Heith)」が公開中。
Orchestrollは近年ヨーロッパとイギリスでのツアーを成功させ、Spanners、Numeroventi、C3 Milanoなど、様々な会場やギャラリーでギグを実施。25周年を迎えた〈MUTEK Montreal〉では新しいライブ AV ショーを披露するなど、アヴァンギャルドな音楽シーンにおける存在感をさらに高めてきた。
EMSスタジオでのレジデンシーから生まれ、モントリオールのMUTEK25周年記念公演を通じて発展を遂げた本作『Corrosiv』において、Orchestrollはウェルネス文化と自己再生の追求における矛盾を探求するトラックを制作。アンビエントなテクスチャを基調にニューエイジの比喩的表現、そしてシューゲイザーの要素を融合させた結果、美と崩壊の両方を想起させる、没入感あふれるサウンドが誕生したとのこと。
元々は混交性と混血化への考察として構想された『Corrosiv』は、ニューエイジとアンビエントの作曲技法を発射台として用い、その陳腐な神聖さを腐食の現実に晒す。1970年代から80年代にかけて成熟期を迎えたニューエイジ運動は、いまも矛盾の領域として生き続けている。それらの音響的対照である、幽玄なシンセパッド、きらめくテクスチャ、天上のドローンは、瞑想と悟りを促すと謳いながら、空虚な生命力の象徴へと堕落している。
本作において、Orchestrollはニューエイジへの敬意も軽蔑も示さない。むしろ彼らはそれを掘り起こし、その美学の根底にある甘ったるい活気と商品化された濁りを露わにする。その結果、陶酔感と不安感を抱かせる作品が生まれた。
ニューエイジ・イデオロギーの空虚なレトリックと美的神秘主義への探求は、文化的凡庸さ、反権威主義、ゲートキーピング、音楽業界の毒性、そして後期資本主義とテクノ封建主義の崩壊しつつある建造物など、儀式から意味が剥奪され、かつて強力だった知識形態が経済的搾取の機械に取り込まれ、本来の本質から切り離され、空虚なシミュラークルへと変貌していくメカニズムへの、より広範な問いへと発展した。
「音響の解体」という枠組みの中で、このアルバムは錬金術的なプロセスへと踏み込み、複雑な波形変化、モーフィング合成、そして歪みが断片化の儀式を演出する。ここでは、腐食と閉じ込めは単なる概念的なモチーフではなく、リアルタイムで作用し、アルバムの地形を刻み込む。
削り取り、曇り、劣化――形と物質の緩やかな摩耗――は、それ自体が楽器となる。磨耗は摩耗として、閉じ込めは変容として、腐食は再構成の手段として。最終的に、音楽が最後の息を吐き出す時、その残滓は消えることを拒み、静寂だけが残る。
Orchestroll – Corrosiv
Release Date : May 30, 2025
Stream / Buy : https://orchestroll.bandcamp.com/album/corrosiv
Tracklist :
1. Patina Shift
2.Blistex
3.Rust Halo
4.Lesio
5.Sightjacker ft. VISIO
6.Here Used To Be a Star
7.Spume (Formerly an Icefield)
8.Hypnoxia
9.Astral Trepidation ft. Jiyoung Wi
10.Spotshadowsphere
11.Velvet Myst ft. Heith
12.Cable Eater
13.Nerveghost
14.Relaxus
15.L’ inaperçu nous traverse ft. Bernardino Femminielli and Habib Bardi
category:NEWS
tags:Orchestroll
2020/08/07
ライブ映像も公開 2019年突如東京インディーシーンを暗躍し、独自の存在感を放ち始めているニューエイジポストパンクバンドNEHANNが、ニューシングル「Ending Song」を〈BLACK HOLE〉よりデジタルリリース。 4作目のシングルとなる今作は活動当初よりライブで演奏されている楽曲で、繊細で儚いヴォーカルと美しくリフレインを重ねるギターリフが耳に残る一曲。これまでのNEHANNの楽曲とは別の側面が見えるドリーミーなバラードは、コロナ禍で絶望的な状況が続く日々の中にも、彼らなりの希望を見出す楽曲とのこと。今回のリリースに合わせて、配信で行われた最新のライブ映像もYouTubeに2本アップ。熱量の感じられるライブ映像も合わせてチェック。 NEHANN – Ending Song Label : BLACK HOLE Release date : August 7 2020 Format : Digital
2020/08/26
7インチリリースも 2019年東京アンダーグラウンドシーンに現れ、独自の存在感を放ち始めたポストパンクバンドNEHANNが、初のアナログ作品となる〈BLACK HOLE〉よりリリースする。 それに先駆けニューシングル「TEC」を本日デジタルリリース。先日発表されたシングル「Ending Song」が “静” であれば、今作は力強いギターサウンドが押し出された “動” の楽曲。ジャケットはDIIVやDEVIL MASTER、UNIFORMらへデザインを提供するインドネシア・バンドンの同世代のアーティストBharata Danuが担当し、マスタリングをTOTAL CONTROLのメンバーMikey Youngが担当している。MVは、同世代として共鳴し合う盟友Waaterらが主宰するロックコレクティブ〈SPEED〉がディレクションを手がけ、 2020 TOKYOの雰囲気や混沌とした昨今のリアルを漂わせた作品へと仕上った。 また、後日詳細が発表される7インチは、デジタルとは異なるマスタリングでA面に「TEC」、B面に「Ending Song」を収録予定とのこと。 https://www.youtube.com/watch?v=Wk8MI0l3fpc&feature=youtu.be NEHANN – TEC Release date – 2020/8/26 Label : BLACK HOLE Stream / Download : https://friendship.lnk.to/TEC Recorded at : Triple time studio Recording Engineer : Junya Iwata Mixing by : Junya Iwata Mastering by : Mikey Young (Total Control) Artwork Design : Bharata Danu Special Thanks : SPEED
2021/01/27
a-ha「Take On Me」のカバーも収録 2019年に結成され、80sポストパンクの美学を継承しながらも、90sグランジ~オルタナティヴ以降のセンスをちりばめたアンサンブルを奏でるNEHANNが、ニューシングル「Star」の7インチリリースを発表。 〈KiliKiliVilla〉からリリースされる今作には新曲「Star」に加えて、B面には80年代の大ヒット曲、a-ha「Take On Me」のカバーが収録。ストリーミングサービスでは本日からタイトル曲「Star」の配信が開始されている。 結成して約1年、〈BLACK HOLE〉からのシングルリリースに加え、自主企画『Milk Poriddge』ではブッキングからフライヤー・デザインまで全て自分たちで作り上げているNEHANN。2つのギターが奏でるモダンなオーケストレーションなど、今作でもその高いポテンシャルが確認できるだろう。 NEHANN – Star Label : KiliKiliVilla Release date : 12 February 2021 Order : https://store.kilikilivilla.com/product/receivesitem/KKV-114VL Tracklist SIDE A : Star SIDE B : Take On Me
1stアルバム『混乱するアパタイト』CD版発売決定 more
最新EPから「Ash」のアコースティック版がリリース more
Text : つやちゃん more