美しさと絶望のヒプナゴジア|Yikiiが新作アルバム『Crimson Poem 深紅之詩』を発表

私が去っても、その中に私の存在を感じることができる

 

 

中国の長春を拠点とするアーティストYikiiのニューアルバム『Crimson Poem 深紅之詩』は、あなたの夢が悪夢になるような霧の入り口に存在する。

 

長くはないキャリアの中で20以上の作品を発表してきたYikiiは今作について「これまでのアルバムと比べて、私が想像した新しい世界の色や雰囲気に最も近いものになっています。」と語っている。今作は直線的な時間への特別な興味から生まれたもので、Yikiiは「この世の不思議に出会うことができたら、次の世界で新しい始まりがあるのか、それともすべてが崩壊してしまうのか」と問いかける。

 

 

緊張感との戯れ、空洞のハンドドラム、伝統的な楽器が互いにぶつかり合いながら上昇していく恐怖感があるかと思えば、コーラス・パッチの波や音程のずれた詠唱が重なり合っていく。そして、孤独なピアノとフルートが自らの共鳴を織り成し、サイコロジカルホラーの不気味なフェードを響かせる。

 

アンビエント、ガバ、ポスト・クラブ、現代音楽、アヴァン・ポップ、童謡などにインスパイアされた『Crimson Poem 深紅之詩』は、「微かな美しさの中にある悲しみと絶望」というYiKiiの継続的な創造的焦点を表現した作品。一種のトランス状態のような超現実的な音で、ヒプナゴジック・ポップのようなサイケデリアとは混同されないヒプナゴジアである。その音楽は意図的で、ゴシックの影が作り出す暗闇と光のキアロスクーロが特徴的。「彼らは、精神的な領域を深く掘り下げることにおいて、常に他の人より一歩先を行っています。」とYikiiは説明し、美学的なインスピレーションとして、『Fatal Frame(日本タイトル『零』)』、『Fran Bow』、『Little Misfortune』などのダークファンタジーゲームを挙げている。

 

また、当初は微分音や特殊なチューニングを中心としたアルバムを目指していたが、今作は、純粋な音楽制作というよりも、世界観の構築を目的としたものになっている。破壊的なノイズと繊細な空気が交錯し、それが積み重なって花開く、不安な美しさがここにある。

 

「私は音楽と絵で自分の世界を作りたいと思っています。それは、別の時間と空間に存在し、私が去っても、その中に私の存在を感じることができます。そこから、生きている世界を体験することができるのです。」

 

 

 

 

Yikii Crimson Poem 深紅之詩

Label : Danse Noire

Release date : October 1st 2021

Buy / stream : dansenoire.ffm.to/Yikii

 

Tracklist

1. -47 °C

2. Disillusionment 破滅

3. Phantasmagoria! 千燈幻景

4. Afterimage In Ruin 廢墟残像

5. Five Layers of Crimson Snow 五重絳雪

6. Doll’s Synaesthesia 人偶的通感

7. Noctambulist 夢行者

8. Heart Halo 心之光晕

9. Liminal Space 虛與實

10. Scavenger’s Daughter 清道夫之女

11. Glass Drumsticks 玻璃鼓槌

12. Two Moons 戼

 

Mastered by Rashad Becker

Photography by Yikii , design by Niels Wehrspann

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